昨日2月9日(木)にAppleが公開した開発者向けのSafari Technology Preview 23は、MacBook Proのバッテリー持続時間を更に向上させる変更が加えられている模様です。
Appleは2週間ごとにSafari Technology Previewのアップデートを行って公開していますが、今回のリリース23ではGamepads、Pointer Lock、メディア、アクセシビリティ、Web Inspectorなど広範囲なバグの修正やパフォーマンスについての改善が行われているものの、注目すべき大きな変更はありません。
ただし、専用のグラフィックチップを搭載したMacBook Proの場合は違うようです。Safariは高度なアルゴリズムを使用して、Webページを読み込む際にMac専用のGPUをアクティブにするか判断します。SafariはGPUでの稼働を少なくすることで、Macのバッテリー稼働時間を伸ばすことができるとのことです。
これまでApple Support Communitiesでも再三バッテリー問題が取り上げられていました。Appleは、その対処として「macOS Sierra 10.12.3」リリースで、MacBook Pro(15インチ、October 2016)での自動グラフィックス切り替えの改善を行ったことを公表しています。PCWorldの公式Twitterによれば、その結果、MacBook Pro(15インチ、October 2016)でのバッテリー駆動時間が延びたことを伝えています。
Tested: The truth behind the MacBook Pro's 'terrible' battery life https://t.co/M06NwfA8o3 by @Gordonung pic.twitter.com/AXveDMYM3N
— PCWorld (@pcworld) 2017年2月1日
PCWorldの記事「Tested: The truth behind the MacBook Pro’s ‘terrible’ battery life」によると、macOS 10.12.3へのアップデートでエネルギー消費が改善されたとしています。macOS 10.12.2ではSafariのバグにより、ブラウザはRadeon Proを使用していなくてもエネルギーを消費しており、バッテリの消耗を早くしていたことがわかっていました。Appleは10.12.3でこの問題を修正し、macOS 10.12.3ではiGPU/dGPUの切替が正しく行われたことと、macOS 10.12.3のSafariではWebGLコンテンツを表示するときにiGPUを使用するように変更されたことによる結果だとのことです。
そして、Safari Technology Preview 23では、さらにWebGLコンテンツのGPU切り替えが改善され、MacBookの専用グラフィックスチップの作業量がさらに減ることになります。この結果、より「バッテリードレイン」問題が改善されることになるようです。
最新のSafari Technology PreviewはApple Developerサイトよりダウンロードすることが可能です。すぐに試したい方はどうぞ。また、正規のリリース版「Safari」もまもなく公開されるものと思われます。