Appleは3月9日にiPhoneやiPad向けオペレーティングシステムの最新バージョンとなるiOS 10.3の5度目となるベータ版iOS 10.3 Beta 5を開発者向けにリリースしています。そして、間もなく一般ユーザー向けに正式版がリリースされるはずです。
このiPhoneおよびiPad向けオペレーティングシステムの最新バージョン「iOS 10.3」は開発者のにならず一般ユーザーにとってもとても重要な意味を持っています。iOS 10.3では、通常のメジャーアップデートよりもさらに重要な変革を含んでおり、アップデートの際には細心の注意と可能な限りの安全を確保して行う必要があります。
今回の「iOS 10.3」アップデートでは、ファイルシステムが30年前のHFS +に代わってApple File System(APFS)になります。これは、iPhoneおよびiPadでのファイル保存方法が変更されることを意味します。iOSデバイスのファイルシステムが単に古いHFS +からAPFSに変更されるというだけに止まらず、近い将来、Macも巻き込んだファイル保存の方法となるエポック的な変革です。
今回のiOS 10.3アップデートでは、ファイルシステムは自動的にAPFSに変更されます。iOS 10.3をダウンロード&インストールするということは、ファイルシステムをAPSFに変更するということです。ユーザーはこの点について選択肢はありません。
APFSがダメということではありません。むしろ、HFS +が30年もの長きに渡って変更されずにいたことの方が驚異的なことで、APFSは歓迎されるべきものです。ただ、こうしたメジャーアップデートの際には、何が起こっても不思議なことではありません。iOSユーザーは、その時のために予防策を講じることが唯一の選択肢と言えます。
iOSアップデートでは、これまでもこうしたメジャーアップデートの際に問題が発生しています。何かがうまくいかない、ということがあってからでは間に合いません。iOS 10.3アップグレードでも、何かがうまくいかない可能性があるのであれば、ユーザーとして唯一の選択肢はバックアップを保存しておくことです。
アップデートを行う前に、iTunesでの「暗号化バックアップ」を取ることをオススメします。MacやWindows PCがなくてiTunesバックアップができない場合には、アップデートの前に必ずiCloudバックアップが行われたことを確認しましょう。これがiOS 10.3アップデートを行わない以外の、ユーザーにとっての唯一の防衛策です。
Appleの現行のファイルシステムが30年も使い続けられているHFS +であることを考えれば、新しいファイルシステムAPFSへの変更は歓迎すべきものであるし、必然と言えます。そして、iOSデバイスのみならず、MacなどのApple製品にとっても幾多の恩恵をもたらしてくれることでしょう。
来週にもリリースされることが予想されるiOS 10.3。その時に、何かが起こっても対処できるようにすることが、賢明なユーザーの選択肢と言えるでしょう。