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昔々、大昔。ある年の暮れのこと。神様が動物たちにお触れを出しました。

「元日の朝、新年の挨拶においで。一番早く来た者から十二番目の者まで、順にそれぞれ一年間動物の大将にしてあげよう。」

動物たちは自分が一番になろうと、みんな意気込んで元日を待ちます。

ところがネコは、いつ神様のところに行けばいいのかを忘れてしまったので、ネズミに聞きました。
するとねずみはわざと1日遅い1月2日だとネコに教えます。
嘘だということをネコは気づかず、2日だと信じ込んで帰っていきました。

ウシは「自分は歩くのが遅いから、早めに出発することにしよう」と夜中のうちに支度をして出発します。
牛小屋の天井でそれを見ていたネズミは、ウシの背中に飛び乗ります。

背中にネズミがいることを知らないウシは、ついに元日に神様の御殿へ到着しました。まだ誰もきていません。
「一番乗りだ！」と喜んだのも束の間、背中に乗っていたネズミが飛び降りて、ウシよりも先に神様のところへ行き一番になってしまいました。
ウシは二番目です。

それから、トラ、ウサギ、龍、ヘビ、ウマ、ヒツジ、サル、トリ、イヌ、イノシシの順で神様の御殿に到着しました。

途中、イヌとサルは大喧嘩を始め、そんな二匹の上をトリが飛んで追い抜こうとしたのですが、
ギリギリのところでサルに先を越され、サル、トリ、イヌの順に到着します。

十三番目に到着したのはカエルでした。残念ながら間に合わなかったので泣く泣く帰ります。

十二匹と神様は酒盛りで大いに盛り上がりましたが、その間もイヌとサルは喧嘩をしていたため、
「犬猿の仲」と言われるようになったそうです。

酒盛りが終わって皆が帰った1月2日、ネコが神様の御殿に到着します。
一日遅れの日にちを教えられていたことに気付いたネコはネズミに大激怒。
現在でもネコがネズミを追いかけ回すのは、このときの恨みからなんだとか。