Appleの今年リリース予定のiOS 12開発について、「iOS 12は新機能を先送りして、iOSの全体的な安定性とユーザーエクスペリエンスの向上に焦点を合わせる」と報道されています。だからと言って、iOS 12のアップデートが退屈だとは限りません。
Appleは、ホーム画面や車載ユーザーインターフェースの一新、メールなどの主要なアプリの改善、写真アプリの更新や編集および共有機能などの改善といったさまざまな機能を延期すると伝えられています。
一方、AR(拡張現実)やデジタルヘルス、機能制限 (ペアレンタルコントロール) などについての多くの新機能がiOS 12に搭載されると言われています。また、iPhoneの応答性を高め、ユーザーサポートに問題が起こらないようにするための機能強化を開発の優先順位に位置付けているとのことです。
メジャーアップデートではユーザーの多くが新機能や新しいデザイン目が行き、期待もそこに集中しがちです。歴代のメジャーアップデート後の不具合騒動は高齢行事ともいえ、iOS 11でのバッテリー問題は訴訟騒ぎにもなったことは記憶に新しいところです。この辺りが要因として「パフォーマンスや品質の向上が優先される」ことになったのでしょうか?
iOS 12開発で改善・改良すべき5つの機能
Appleが言うところの「2018年はパフォーマンスと品質の問題に取り組む」際に優先されるべき課題はなんでしょう。iOS 12の開発の改善・改良すべき優先順位ベスト5ともいうべきものがここにあります。
1.Siriの音声認識
Siriが搭載されたのはiOS 5デバイスからで、iPhone 4Sに搭載されてデビューしました。以来、iOSデバイスユーザーには身近な存在であるものの、その機能はお世辞にもすばらしいとは言えません。実際に、日常的にSiriを使っているユーザーがどれだけいるかも疑問です。
ライバルのAmazon Alexaなどが提供する機能がSiriには搭載されていないものもありますが、むしろ単純な命令や定型文に応答するのみで、単純なコマンドや話したことを適切に書き取ることもできないことの方が問題かもしれません。
AppleはSiriのこうした音声認識機能をもっと向上させる必要があります。iOS 11でSiriはより自然な声を手に入れましたが、バーチャルアシスタントとしてより正確な音声認識が欠かせないことは言うまでもありません。日本での発売はまだですが、HomePodの発売もあり、Siriの音声認識機能の向上は必須とも言えます。
2.通知センター
通知センターはiOS 5から導入された機能です。それ以来、いくつ化の改善は行われているものの、基本的にはさほど代わり映えしていないのが現状です。
日々、何十通ものいろいろな種類の通知を受け取り、通知センターに表示してくれますが、情報が混乱しており、これを見ることはほぼないと言うのが現状ではないでしょうか。
Androidでは、すべてのアプリの通知が分類でき、重要な通知に関してはいつ受信したかに関わらず、リストの上部に常に表示することが可能となっています。iOSの場合には重要な通知もプレイしたゲームアプリから届く数多くの不要な通知に埋もれていまいます。
また、Androidではそれぞれのアプリの通知をグループ化することができるだけでなく、これらを色分けすることでひと目見ただけで感覚的に捉えることもできます。
3.ポートレートモード
iPhoneに搭載されている2つのレンズを使うことで、被写体を浮かび上がらせ、一眼レフのように背景をぼやかして撮影することができるポートレートモード。iOSデバイスではうまく認識できずに被写体がぼやけて撮影されることがあります。
この問題はソフトウェアの改善で解決できる問題です。Googleはリアカメラがひとつしかない同社のPixel 2で改善を見ており、AppleにはiOS 12での改善が期待されます。
4.iPhone Xのステータスバー
iPhone Xに搭載される画面上部の中央に鎮座する「ノッチ」の存在のために、ステータスバーを完全な形で表示することができません。このために、今までのようにステータスバーに多くの情報を表示することができません。
iPhone Xのステータスバーには現在、時刻や電波、Wi-Fiまたは4G(LTE)、そしてバッテリー残量が表示されています。Appleはこの狭いiPhone Xのステータスバーの制約されたスペースに必要と思われる情報を入れています。
でも、ユーザーによっては、ここに電波やWi-Fiの信号の強弱は必要ないかもしれません。むしろ、バッテリーのパーセンテージ表示の方がいいかもしれません。バッテリー残量表示については、スワイプしてコントロールセンターを表示しないとパーセントでの残量をチェックすらできません。
狭い領域ですが、ステータスバーはいつも目に触れることができると言う点で特別の意味合いがあります。ユーザーが表示内容をカスタマイズできてもいいかもしれません。
5.バグ
iOS 11の最も深刻な問題のいくつかは既に解決されていますが、細かい不具合はたくさん残っています。Appleはこうした問題を解消する必要があります。ユーザーはiPhoneやiPad上で発生する不具合や不規則なフリーズを期待していません。
AppleはiOS 12でどのような改善・改良した姿をわたしたちに見せてくれるでしょう?そして、多くのユーザーはどのような改善・改良をした姿をiOS 12に期待しているでしょう?あなたは?
Source:Cult of Mac