Appleは11月28日(現地時間11月27日)、10月9日に修正バージョンとして公開された「iOS 12.0.1」のファームウェアへの署名(SHSH)を停止しました。
Appleの最新オペレーティングシステムとして9月18日に登場したメジャーアップデートバージョン「iOS 12」では、さまざまな機能が新しく搭載されています。その最初の修正版である「iOS 12.0.1」は10月9日にリリースされ、さまざまな修正が行われており、中でもiPhone XSでの充電時の不具合やWi-Fi接続での問題、Bluetoothが使用できなくなるなどの不具合を修正しています。
今回、「iOS 12.0.1」のSHSH発行の停止により、現段階でアップグレードおよび再インストールすることのできる正規版ファームウェアは、10月31日にリリースされた「iOS 12.1」のみということになります。そして、「iOS 12.1」をインストールしたデバイスでは、iOS 12.1以前にダウングレードする手段はありません。
Appleでは、定期的に古いiOSファームウェアのバージョンへの署名を停止し、特定のバージョンの署名を閉じることで、ユーザーがそのバージョンにダウングレードできなくなるようにして、ユーザーを最新バージョンへ誘導する処置を取っています。ただ、ここのところの署名停止処理を見ていると、様々なセキュリティ問題への対処も含め、最新バージョン以前のものをなるべく早く停止するという傾向が見えます。
繰り返しになりますが、今回の署名停止に伴い、すでにiOS 12.1を実行しているユーザーは、それ以前のバージョンへのダウングレードができなくなりました。
脱獄しているユーザー、または脱獄希望のユーザーは、Appleが古いiOSバージョンへの署名をやめることにより、しばしば影響を受けます。そして今現在、iOS 12.1のコンテキストでは、そのファームウェアで公開されている脱獄がなく、iOS 12.1の脱獄を招く可能性のある既知の悪用や脆弱性は一般に公開されていません。