Microsoftは2023年6月14日(日本時間)、2023年6月の月例Windows UpdateとしてWindowsをはじめとしたセキュリティ更新プログラムを公開しました。セキュリティ脆弱性などの更新が含まれているので、Windows PCをお使いのユーザーは、なるべく早くアップデートを行いましょう。
今月のセキュリティ更新プログラムでは、Windowsのセキュリティ更新やバグ修正に関する計14件(緊急8件、重要5件、低1件)の新規セキュリティ情報を公開しています。
また、新規セキュリティ更新プログラムを公開すると共に、既存の脆弱性更新情報 7 件の公開を行いました。
なお、今月の悪意のあるソフトウェアの削除ツールでは、新たに対応を追加したファミリはありませんでした。
Windowsユーザーはできるだけ早く、2023年6月の公開セキュリティ更新プログラムを適用することが推奨されます。
セキュリティ更新プログラム、セキュリティ アドバイザリに関する主な注意点
- 今月のセキュリティ更新プログラムで修正した脆弱性のうち、以下の脆弱性は、CVSS 基本値が9.8 と高いスコアで、認証やユーザーの操作なしで悪用が可能な脆弱性です。これらの脆弱性が存在する製品、および悪用が可能となる条件については、各CVEのページの「よく寄せられる質問」 を参照してください。セキュリティ更新プログラムが公開されるよりも前に、脆弱性の情報の一般への公開、脆弱性の悪用はありませんが、脆弱性の特性を鑑み、企業組織では早急なリスク評価とセキュリティ更新プログラムの適用を推奨しています。
- CVE-2023-29357 Microsoft SharePoint Server の特権の昇格の脆弱性
- CVE-2023-29363 Windows Pragmatic General Multicast (PGM) のリモートでコードが実行される脆弱性
- CVE-2023-32015 Windows Pragmatic General Multicast (PGM) のリモートでコードが実行される脆弱性
- CVE-2023-32014 Windows Pragmatic General Multicast (PGM) のリモートでコードが実行される脆弱性
- 今月のセキュリティ更新プログラムでは、脆弱性からシステムを保護するために、セキュリティの強化が実施されています。影響を受ける環境をお使いのお客様は、脆弱性のページおよびサポート技術情報をご参照いただき、セキュリティ強化による組織への互換性問題がないかなどを事前にご確認ください。
- Microsoft Exchange の更新プログラムを展開する際のガイダンスは、Microsoft Exchange チームブログ Released: June 2023 Exchange Server Security Updates も併せてご参照ください。
- セキュリティ更新プログラムにおける既知の問題は、各セキュリティ更新プログラムのサポート技術情報を参照してください。既知の問題が確認されている各セキュリティ更新プログラムのサポート技術情報一覧は、2023 年 6 月セキュリティ更新プログラム リリースノートに掲載されています。
2023年6月のセキュリティ更新プログラムを公開した製品、コンポーネント一覧
Microsoftが2023年6月14日(日本時間)にセキュリティ更新プログラムを公開した製品およびコンポーネントの一覧が公開されています。最新の情報は、2023年6月セキュリティ更新プログラム リリースノートをご確認ください。
2023年6月のセキュリティ更新プログラム一覧
Microsoftが2023年6月14日(日本時間)に公開したセキュリティ更新プログラムは次の通りです。
最新の情報は、セキュリティ更新プログラム ガイド を確認してください。
最大深刻度「緊急」のセキュリティ更新情報
製品ファミリ:Windows 11 v22H2, v21H2
■最も大きな影響
リモートでコードの実行が可能
■関連するサポート技術情報またはサポートのWebページ
v22H2 5027231
v21H2 5027223
製品ファミリ:Windows 10 v22H2, v21H2
■最も大きな影響
リモートでコードの実行が可能
■関連するサポート技術情報またはサポートのWebページ
5027215
製品ファミリ:Windows Server 2022 (Server Core installationを含む)
■最も大きな影響
リモートでコードの実行が可能
■関連するサポート技術情報またはサポートのWebページ
5027225
製品ファミリ:Windows Server 2019 , 2016 (Server Core installation を含む)
■最も大きな影響
リモートでコードの実行が可能
■関連するサポート技術情報またはサポートのWebページ
Windows Server 2019 5027222
Windows Server 2016 5027219
製品ファミリ:Windows Server 2012 R2, Windows Server 2012 (Server Core installation を含む)
■最も大きな影響
リモートでコードの実行が可能
■関連するサポート技術情報またはサポートのWebページ
Windows Server 2012 R2
Monthly Rollup 5027271 Security Only 5027282
Windows Server 2012
Monthly Rollup 5027283 Security Only 5027281
製品ファミリ:Microsoft SharePoint
■最も大きな影響
特権の昇格
■関連するサポート技術情報またはサポートのWebページ
https://learn.microsoft.com/officeupdates/sharepoint-updates
製品ファミリ:Microsoft .NET
■最も大きな影響
リモートでコードの実行が可能
■関連するサポート技術情報またはサポートのWebページ
https://learn.microsoft.com/dotnet
製品ファミリ:Microsoft Visual Studio
■最も大きな影響
リモートでコードの実行が可能
■関連するサポート技術情報またはサポートのWebページ
https://learn.microsoft.com/visualstudio
最大深刻度「重要」のセキュリティ更新情報
製品ファミリ:Microsoft Office
■最も大きな影響
リモートでコードの実行が可能
■関連するサポート技術情報またはサポートのWebページ
https://learn.microsoft.com/officeupdates
製品ファミリ:Microsoft Exchange Server
■最も大きな影響
リモートでコードの実行が可能
■関連するサポート技術情報またはサポートのWebページ
https://learn.microsoft.com/exchange
Released: June 2023 Exchange Server Security Updates
製品ファミリ:Microsoft Dynamics 365
■最も大きな影響
なりすまし
■関連するサポート技術情報またはサポートのWebページ
https://learn.microsoft.com/dynamics365
製品ファミリ:Microsoft Azure 関連のソフトウェア
■最も大きな影響
なりすまし
■関連するサポート技術情報またはサポートのWebページ
https://learn.microsoft.com/azure
製品ファミリ:Remote Desktop client for Windows Desktop
■最も大きな影響
リモートでコードの実行が可能
■関連するサポート技術情報またはサポートのWebページ
https://learn.microsoft.com/azure/virtual-desktop/whats-new-client-windows
最大深刻度「低」のセキュリティ更新情報
製品ファミリ:Windows Sysmon
■最も大きな影響
サービス拒否
■関連するサポート技術情報またはサポートのWebページ
https://learn.microsoft.com/sysinternals
既存の脆弱性情報の更新
Microsoftが2023年6月14日(日本時間)に公開した、既存の脆弱性7件の更新情報は次の通りです。
- CVE-2021-34527 : Windows 印刷スプーラーのリモートでコードが実行される脆弱性
Windows 10 Version 21H2、Windows 11 Version 21H2、Windows 11 Version 21H2、Windows Server 2022 のすべてのサポートされるエディションがこの脆弱性の影響を受けるため、「セキュリティ更新プログラム」一覧に追加しました。これらのバージョンの Windows のいずれかを実行しているお客様は、この脆弱性から保護するために、記載されている更新プログラムまたはさらに新しい更新プログラムをインストールすることをお勧めします。これらの更新プログラムをインストールした後は、この CVE に関するドキュメントに記載されているアドバイスに従ってください。 今回の改訂で、サポートが終了した製品は削除されました。 - CVE-2023-24880 : Windows SmartScreen のセキュリティ機能のバイパスの脆弱性
影響を受ける製品の CVSS スコアを 1 つ以上更新しました。これは情報のみの変更です。 - CVE-2022-37967 : Windows Kerberos の特権の昇格の脆弱性
マイクロソフトは、この脆弱性に対処するためのWindows セキュリティ更新プログラムの第3フェーズをリリースすることを発表しました。これらの更新プログラムは、KrbtgtFullPacSignatureサブキーの値を0に設定することにより、PAC署名の追加を無効にする機能を削除します。マイクロソフトは、この脆弱性から完全に保護するために、6月の更新プログラムをインストールすることを強く推奨します。詳細については、CVE-2022-37967に関するKerberosおよびNetlogonプロトコルの変更の管理方法を確認してください。Windowsデバイスが自動更新を受け取るように設定されているお客様は、これ以上対策を講じる必要はありません。 - CVE-2022-38023 : Netlogon RPC の特権の昇格の脆弱性
FAQ 情報を更新しました。これは、情報のみの変更です。 - CVE-2023-23383 : Service Fabric Explorer のなりすましの脆弱性
FAQ 情報を追加しました。今回の更新は情報のみの変更です。 - CVE-2023-23396 : Microsoft Excel のサービス拒否の脆弱性
FAQ 情報を追加しました。今回の更新は情報のみの変更です。 - CVE-2023-23398 : Microsoft Excel のなりすましの脆弱性
FAQ 情報を追加しました。今回の更新は情報のみの変更です。
新規のセキュリティ アドバイザリの公開
Microsoftが2023年6月14日(日本時間)に公開した、新規のセキュリティアドバイザリの公開情報はありませんでした。
既存のセキュリティ アドバイザリの更新
Microsoftが2023年6月14日(日本時間)に公開した、既存のセキュリティアドバイザリ1件の更新情報は次の通りです。
- ADV990001 最新のサービス スタック更新プログラム
新しいバージョンのサービス スタック更新プログラムが入手可能であることをお知らせするために、アドバイザリが更新されました。詳細については、FAQ を参照してください。
その他情報
- 最新のサービス スタック更新プログラム (SSU) は、アドバイザリ ADV990001 を確認してください。
- Microsoft Edge (Chromium-based) のセキュリティ情報は、公開のスケジュールが月例のリリースとは異なりますので、セキュリティ更新プログラム ガイド上で製品にて Microsoft Edge (Chromium-based) を選択し、確認してください。または、Edge のセキュリティ リリース情報にてご確認ください。
- 各脆弱性情報 (CVE) のページには、緩和策、回避策、注意事項やよく寄せられる質問など、追加の情報が掲載されている場合があります。セキュリティ更新プログラムの適用の前に、併せてご確認ください。
- 最新の情報は、セキュリティ更新プログラム ガイド を確認してください。セキュリティ更新プログラムガイドでは、セキュリティの脆弱性および更新プログラムの情報を、CVE、KB 番号、製品、またはリリース日別に並べ替えたりフィルターをかけたりすることができます。各月のセキュリティ更新プログラムを絞り込むには、日付範囲に絞り込む月の第 2 火曜日を指定して検索してください。なお、セキュリティ更新プログラム ガイド API を活用して、自社に特化したカスタム レポートを作成することができます。API の活用方法を紹介する 6 つのビデオ (API の情報 (GitHub)、API へのアクセス、HTML ファイルの出力、Excel へのエクスポート、CVE リストの取得、KB リストの取得) を公開していますので、是非ご活用ください。
- マイクロソフトでは、セキュリティ更新プログラムの新着情報及び更新情報を、お客様がタイムリーに受け取れるように、通知方法法をリニューアルしました。まだ購読されていない方、これまでのメールでの通知のみ受信している方は、この機会にどちらかの方法で、是非ご登録ください。
- 通知方法1 プロファイルを作成する方法 : セキュリティ更新プログラム ガイドの通知システム : 今すぐプロファイルを作成しましょう
- 通知方法2 RSS フィードで購読する方法 : セキュリティ更新プログラムの通知・配信の改善 – 新しい配信方法について
次回、2023年7月のWindows Update、セキュリティ更新プログラムのリリースは、7月12日(日本時間)の予定となっています。また、2023年のセキュリティ更新プログラムのリリーススケジュールも公開されました。2023年の年間スケジュールについてはこちらを参照ください。
Source:Microsoft