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iOS 10.2.1をiOS 10.2にダウングレードする方法

今日1月24日(現地時間1月23日)リリースされたiPhone、iPadおよびiPod touch向けiOS 10最新バージョン「iOS 10.2.1」は、バグ修正およびセキュリティ問題の改善となっており、マイナーアップデートに留まっています。ただし、Safariが搭載するレンダリングエンジンWebkitの脆弱性についての修正が7件行われており、セキュリティ上を考えるとアップデートするのが賢明です。

iOS_Downgrade

ただ、iOS 10.2より発生しているバッテリー問題は解決しないままです。前のバージョンよりバッテリーの減りが早くなった、動作に違和感を感じるなど何らかの問題が発生して、最新バージョンにしたものの、前のバージョンに戻したいという状況はありがちなこと。そんなユーザーのためのダウングレード手順を紹介します。なお、バッテリーの問題を抱えている場合には、以下の記事を参考にしてみてください。

現在(1月24日時点)iOSの最新バージョン「iOS 10.2.1」にアップデートしたiOSデバイスで再インストールあるいはダウングレードできる選択肢は、iOS 10.2のみです。残念ながら、それ以前のバージョンへの「iOS 10.1.1」や「iOS 10.1」を含むバージョンへのダウングレードおよび再インストールは署名(SHSH)発行が停止されており、行うことができなくなっています。

ダウングレードの前準備

ダウングレードする前は、ダウングレード対象のiPhoneやiPad、iPod touchなどiOSデバイスのデータをバックアップを取っておくことを推奨します。ダウングレードしてしまったのちに何らかの不具合があった場合、復旧できるようにバックアップは欠かせません。その際は、iCloudを利用した簡易バックアップではなく、データを丸っとバックアップ出来るiTunesによる「iPhoneによるバックアップを暗号化」で行いましょう。


注意!】上記のバックアップを行なったデータは、iOSバージョンをダウングレードした際には復元することができません。過去にはダウングレードしても、そのバージョンより新しいバージョンでバックアップしたデータを復元することができたのですが、現在はiPhoneにインストールされているバージョンと同等かそれ以前のバージョンでバックアップされたデータからの復元のみとなっています。

iOS 10.2.1からiOS 10.2にダウングレードする手順

バックアップを取ったら、次に「iOS 10.2ファームウエア」をダウンロードします。iOSファームウェアは機種によってダウンロードファイルが異なります。iPhone、iPad、iPod touchの使用するデバイスモデルを確認し、モデルにあったファームウェアファイルを選んでダウンロードする必要があります。


iPhoneはデバイスのモデル(GSM、Globalなど)によってダウンロードするファームウェアが異なります。iPhone 6/6 Plus以前のiPhoneについては、背面カバーに記載されているモデル番号で確認できます。その他のiOSデバイスの場合はAppleサポートサイトで確認してください。

ダウンロードしたファイルはそのままに、次の作業、iPhone側の確認および設定を行いましょう。

iPhoneで行う確認と設定

1.「iPhoneを探す」を“オフに

まずは、ダウングレード対象のiPhoneの「iPhoneを探す」機能をオフにします。[設定]アプリから[設定]→[iCloud]ページを開くと「iPhoneを探す」設定画面が表示されます。

  1. 設定]アプリから[設定]→[iCloud]と進み、「iPhoneを探す」設定画面を開いて「iPhoneを探す」のトルグボタンをオフにします。
    Find_My_iPhone-01Find_My_iPhone-02
  2. Apple IDパスワード」を入力して[オフにする]ボタンをタップします。最後に「iPhoneを探す」がオフになったことを確認しましょう。
    Find_My_iPhone-03Find_My_iPhone-04

2.パソコンにiOSデバイスを接続

iTunesを使用しているMacまたはWindows PCなどのパソコンに、iPhoneなどのダウングレード対象iOSデバイスをLightningケーブルで接続します。

iTunesのダウングレード処理手順

iOS 10.2ファームウェア(IPSW)のダウンロード、iPhoneの「iPhoneを探す」機能オフ、そしてMacやWindows PCにiPhoneをLightningケーブルで接続したら、いよいよダウングレード手順を実行します。

1.iTunesでiOSデバイスを選択

まず、iTunesを起動して画面左上にあるiOSデバイスアイコンをクリックします。

iTunes_Downgrade-01

表示画面の左側パネルにある[設定]セクション下の[概要]項目をクリックします。

iTunes_Downgrade-02

2.「iPhoneを復元…」ボタンをalt/Optionキーを押したままクリック

[概要]画面のiOSデバイスの状態セクションにある「iPhoneを復元…」ボタンを、Macであれば[alt/Option]キー、Windows PCの場合には[Shift]キーを押したままクリックします。

iTunes_Downgrade-03

3.ダウンロードしたファームウエアを選択

ファームウェア選択画面で、先ほどダウンロードしたファームウェアファイルを選んで[開く]をクリックします。今回は対応機種をiPhone 6sとして行っているので、ファームウェアのファイル名は「iPhone_4.7_10.2_14C92_Restore.ipsw」です。他のデバイスを使用している場合には、そのデバイスにあったファームウェアを選択してください。

iTunes_Downgrade-04

4.確認画面で[復元]をクリック

iPhone の内容は消去され、iOS 10.2ソフトウェアで復元されます。復元は Appleにより検証されます。」画面で[復元]をクリックします。

iTunes_Downgrade-05

※iTunesで正規ファームウェアの「署名」確認が取れなない(期限切れ、あるいは機種間違いなど)場合には、「ソフトウェアの復元の準備」処理後に「iPhone“*****”を復元できませんでした。…」メッセージ画面が表示されます。

iTunes_Downgrade-06

5.ダウングレード処理を開始

処理時点で「iOS 10.2」ファームウェアの「署名」が有効であれば、以下のような画面に切り替わり、「ソフトウェアを抽出中…」からはじまり「復元の準備中…」「復元中」へとダウングレード処理が開始されます。

iTunes_Downgrade-07

6.「このバックアップから復元…」を実行

ダウングレード処理が終了すると、iPhone本体の再起動とともにiTunesに「新しいiPhoneへようこそ」画面が表示されます。

iTunes_Downgrade-08

新しいiPhoneへようこそ」画面で「このバックアップから復元…」をすれば、その内容を引き継ぐことができるのですが、AppleはiOSデバイスにインストールされているiOSバージョンより新しいバージョンからのデータの引き継ぎを推奨していません。以前は行えたのですが、現在はできなくなっています。

iTunes_Downgrade-09

「新しいiPhoneとして設定」するには問題はないのですが、データの引き継ぎをしたい場合には、インストールされているiOSバージョンと同じかそれ以前のバージョンでバックアップしたものに限定されるので注意が必要です。

ダウングレードの完了確認

iTunesでデバイスの「概要」を開いてiOSバージョンを確認してみましょう。「iOS 10.2.1」から「iOS 10.2」へのダウングレードが成功していることがわかります。

iTunes_Downgrade-10

【追記】Appleは2017年1月31日付で、iOS 10.2の署名(SHSH)発行を停止しました。

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ガジェット好きなオヤジです。iPhoneやMac・PCを使っていて、ふとしたときに感じた疑問なんかを自分なりに解決した記事を書いていきます。また、時には楽しい動画なんかもアップしていくつもりです。どうぞよろしく!

つぶやき

  • tutuappでダウンロードしたappも信頼を失いましたねwwww
     2017年05月15日 16:31

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この記事へのコメント

  1. NS より:

    10.2.1から10.2へダウングレードする際、10.2.1のデータは10.2では復元できませんよね?

    • eswai より:

      はい、注意書きしたように、データの復元は下位のバージョンに上位のバージョンからデータの復元を行うことはできません。以前は、マイナーアップデートの場合に上位からのデータ復元が可能でしたが、Appleの仕様変更により、出来なくなりました。

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