Appleは本日1月9日、iPhone、iPadおよびiPod touch向けオペレーティングシステムiOS 11.2の2度目となる修正バージョン「iOS 11.2.1」をリリースしました。
iOS 11以降のリリース状況およびアップデート内容
9月20日にリリースされたiOS 11はすでにiOS 11.0.xで3度、iOS 11.1.xで2度のマイナーアップデートを行っています。そして、iOS 11.2.xでも今回リリースを含めて2度のマイナーアップデートが行われています。
iOS 11.0.x
- iOS 11.0.1(2017年9月27日)
iOS 11.0.1では、リリース直後に問題化していたMicrosoftのOutlook.comやExchangeのメールアカウントでメールが送れない不具合など、緊急性の高い不具合やバグの修正が行われました。 - iOS 11.0.2(2017年10月4日)
2度目のiOS 11.0.2では、iPhone 8/8 Plusの一部で発生が確認されていた通話中にパチパチという雑音が発生していた問題を修正しています。また、その他に一部の写真が非表示になってしまう問題や暗号化されたメールメッセージの添付ファイルが開けない問題にも対応しています。 - iOS 11.0.3(2017年10月12日)
iOS 11.0.3では、一部のiPhone 7シリーズでオーディオおよび触覚フィードバックが作動しない問題を修正しています。また、Apple純正部品を使って修理されなかった一部のiPhone 6sで画面がタッチ入力に反応しない問題に対応しています。
iOS 11.1.x
そして、11月1日に公開されたiOS 11バージョン初となるメジャーアップデート版iOS 11.1では70字を超える新しい絵文字が追加され、写真アプリやアクセシビリティなど多くのバグ修正および改善が行われました。その後、ほぼ1週間単位でマイナーアップデートが行われ、以下のようにすでに2度にわたる不具合の修正が行われています。
- iOS 11.1(2017年11月1日)
iOS 11.1では70字を超える新しい絵文字が追加されました。また、写真アプリやアクセシビリティなどのバグ修正および改善も含まれます。 - iOS 11.1.1(2017年11月10日)
iOS11デバイスで「i」を入力すると「A」が表示されるキーボードの自動修正機能の入力バグ問題や“Hey Siri”が作動しない問題の修正を行っています。 - iOS 11.1.2(2017年11月17日)
急激な温度低下でiPhone Xの画面が反応しない問題やライブ写真やiPhone Xでキャプチャしたビデオの歪みを引き起こす可能性のある問題を修正しました。
iOS 11.2.x
そして、iOS 11の2度目のメジャーアップデートバージョン「iOS 11.2」が12月3日に、その1度目の修正バージョンが12月14日にリリースされ、本日2度目のマイナーチェンジが行われています。
- iOS 11.2(2017年12月3日)
iOSデバイスの標準「電卓」アプリで問題になっていた、数字を速く入力すると正しく計算できない問題が修正されました。そのほかにも数々の不具合や改善が行われています。また、新しい3つのLive壁紙の追加なども行われています。 - iOS 11.2.1(2017年12月14日)
auのiOSユーザー向けにVisual Voicemailをアクティベーションできない問題の修正が行われています。また、“ホーム” Appの共有ユーザがリモートアクセスできない問題にも対応しました。 - iOS 11.2.2(2018年1月9日)
GoogleのProject Zeroチームなどが公開したIntelやARMなど投機的実行機能を持つCPUに対するサイドチャネル攻撃によりユーザー情報などが窃取される可能性がある「Meltdown(CVE-2017-5754)」および「Spectre(CVE-2017-5753, CVE-2017-5715)」脆弱性などの修正が行われています。
今回のiOS 11.2.2リリースノート
iOS 11.2.2にはセキュリティアップデートが含まれ、すべてのユーザに推奨されます。
このアップデートのセキュリティコンテンツについては、次のWebサイトをご覧ください:https://support.apple.com/ja-jp/HT201222
なお、Appleのセキュリティアップデート情報によると、以下のようにCPUに対するサイドチャネル攻撃によりユーザー情報などが窃取される可能性がある「Meltdown(CVE-2017-5754)」および「Spectre(CVE-2017-5753, CVE-2017-5715)」などのセキュリティ脆弱性についての対処が報告されています。
Available for: iPhone 5s and later, iPad Air and later, and iPod touch 6th generation
Description: iOS 11.2.2 includes security improvements to Safari and WebKit to mitigate the effects of Spectre (CVE-2017-5753 and CVE-2017-5715).
We would like to acknowledge Jann Horn of Google Project Zero; and Paul Kocher in collaboration with Daniel Genkin of University of Pennsylvania and University of Maryland, Daniel Gruss of Graz University of Technology, Werner Haas of Cyberus Technology, Mike Hamburg of Rambus (Cryptography Research Division), Moritz Lipp of Graz University of Technology, Stefan Mangard of Graz University of Technology, Thomas Prescher of Cyberus Technology, Michael Schwarz of Graz University of Technology, and Yuval Yarom of University of Adelaide and Data61 for their assistance.
iOS 11.2.2アップデートによるユーザの反応は?
今回のアップデートは突然のマイナーアップデートであるものの、多くのユーザーが「セキュリティホール問題」を認識していて、特別に動揺していたり、「アップデートして大丈夫?」などのコメントは見当たりませんね。
更新されました iPhoneにCPU脆弱性「スペクター」を緩和する『iOS 11.2.2』がリリース(篠原修司) https://t.co/0jBTcQJpNb
— jpn_news_fan (@jpnnews_fan) 2018年1月9日
例のCPU脆弱性関連で,macOS High Sierra 10.13.2 Supplemental Update(含 Safari 11.0.2),iOS 11.2.2 が出た。一つ古いSierra 10.12.6はSafariのアップデートだけ
— Haruhiko Okumura (@h_okumura) 2018年1月9日
iOS 11.2.2、例のセキュリティホール Spectre 対応が今朝来てたのね。帰ったら即当てておこう。 pic.twitter.com/XMoT2g5HGR
— Double H / だぶる☆えっち (@dh_com) 2018年1月9日
アップデートによる不具合報告は?
リリースしてからまだ半日以上経過していますが、今のところ実際にインストールした後の不具合などの報告は上がっていないようです。iOS 11.2.2はセキュリティ脆弱性に対処した不具合修正です。今後、iOS 11.2.2アップデートによる不具合の報告は新たに大きな問題となるようなものは現れないものと思われます。
ただし、iOS 11.2.2をダウンロード&インストールするにつれててダウンロードやインストールに関する問題、Bluetoothに関する問題、バッテリの消耗問題、Wi-Fi接続の問題、UIの表示遅延、ランダムな再起動などの問題も発生することが考えられます。
もし、iOS 11.2.2をインストールして、バッテリの異常な放電やBluetoothの問題などのバグや問題に気付いた場合には、以下の記事がその解決の参考になるかもしれません。