Mozillaは本日3月8日、Windows、Mac、Linuxなどデスクトップ向けのメジャーアップデートとなる正式版「Firefox 52.0」をリリースしました。また、同時にAndroid版もリリースしています。今回のデスクトップ向け最新版は、1月25日にリリースしたFirefox 51.0から約1ヶ月半(6週間)を経過してのリリースで、通常のFirefoxリリース周期(6〜8週程度)での公開となっています。
今回のアップデートでは、Microsoft、Google、Mozilla、Appleなどが共同で開発に取り組んでいるWeb標準規格である新しい標準規格“WebAssembly”をサポートしました。これは、特定のプラグインを使うことなく、プログラムをWebネイティブに実行することができるようになり、将来的にはさまざまなアプリやゲームをWebブラウザ上で実行することが可能となります。また、今バージョンよりWindows XP及びVistaのサポートが終了となっています。そして、Netscape Plugin API (NPAPI) のサポートを終了しており、Silverlight、Java、Acrobatなどが使用できなくなります。
Firefox 52.0 デスクトップ版の新しい機能
新機能
- WebAssembly への対応を追加しました。これは、プラグインを用いることなくネイティブに近いパフォーマンスをウェブベースのゲームやアプリ、ソフトウェアライブラリにもたらす新たな標準技術です。
- Wi-Fi アクセスポイントへの接続を簡単にするため、キャプティブポータルの自動判別を追加しました。キャプティブポータルでの認証を通じてインターネットへ接続する必要がある場合、Firefox が新しいタブでポータルのログインページを開くようメッセージを表示します。
- 安全でない HTTP サイトによる「secure」属性付き Cookie の設定を禁止する Strict Secure Cookies 仕様を実装しました。場合によっては、安全でないサイトが同じベースドメインから発行された既存の「secure」な Cookie と同名の Cookie を設定することも禁止されます。
- ログインフォームを含む安全でない HTTP ページ での警告を追加しました。HTTPS を使用していないページ上でユーザー名やパスワード入力欄を選択すると、「この接続は安全ではありません」というメッセージが表示されます。
- タッチスクリーン搭載の Windows パソコン上で Firefox のマルチプロセスを有効化しました。
- Firefox Sync を使って、ある端末から別の端末へタブを送って開けるようにしました。
変更
- Flash 以外のプラグインの Netscape Plugin API (NPAPI) 対応を廃止しました。Silverlight、Java、Acrobatなどが使用できなくなります。
- 以下のようにダウンロード関連のユーザー体験を改善しました。
- ダウンロードが失敗した場合、ツールバーに通知を表示
- 最近のダウンロード項目へのクイックアクセスを 3 件から 5 件に変更
- キャンセルと再開ボタンのサイズを拡大
- 追跡者によるユーザーのフィンガープリンティング要素を減らすため、Battery Status API を削除しました。
- Windows 上でコンテンツの描画に Direct2D が使われていない場合、代わりに Skia を使用します。
- Windows XP および Windows Vista 上の Firefox ユーザーを延長サポート版 (ESR) へ移行しました。
- Mozilla の CA 証明書プログラム に含まれているルート証明書を最上位とする SHA-1 証明書に遭遇した場合、「信頼できない接続」エラーを表示します (これをユーザーが無視して接続することはできません)。ただし、手作業でインポートされたルート証明書を最上位とする SHA-1 証明書は引き続き許容されます。詳しくは Mozilla セキュリティチームの SHA-1 廃止計画 を参照してください。
開発者
- CSS グリッドレイアウト を有効化しました。これはグラフィックデザインに新たな可能性の扉を開くものです。
- 画面共有のセキュリティ を強化し、プレビュー表示を追加するとともにドメインホワイトリストを廃止しました。
- レスポンシブデザインモード を再設計し、各種端末の選択、ネットワーク制限などの機能を追加しました。
修正
- いくつかのセキュリティ問題 を修正しました。
- Windows 上で、以下のような、サードパーティ製キーボードレイアウトを用いた文字入力への対応を改善しました。
- 連鎖的修飾キーを備えたキーボードレイアウト
- 印刷不可キーあるいは修飾キーの連続による 2 文字以上の入力
- 修飾キーの連続で文字を構成できなかった場合の文字入力
未解決
Google ハングアウトが一時的に動作しなくなっています。
Mozillaは、6〜8週間隔で新しいFirefoxのバージョンをリリースしています。次期バージョン「Firefox 53」は2017年4月18日(火)の予定となっています。