Mozillaは2018年5月10日(現地時間5月9日)、Windows、Mac、Linuxなどデスクトップ向けのWebブラウザFirefoxの定期的なメジャーアップデートとなる「Firefox 60.0」を正式リリースしました。また、延長サポート版である Firefox ESRもバージョン60.0にアップデートされています(ESR 52.8.0 も継続してリリース)。
「Firefox 60」では、Web Authentication APIがサポートされ、これによりパスワードを入力することなく認証の許可がなされるようになりました。また、本バージョンはコアエンジンおよびユーザーインターフェイスが刷新された「Firefox Quantum」と呼ばれる4回目のリリースとなります。
また、今回のバージョンにはさまざまなセキュリティ問題への修正が含まれています。合計26件、重要度区分別では“最高”レベルが2件、“高”6件、“中”14件、そして“低”が4件となっています。
Firefox 60.0デスクトップ版リリースノート
新機能
- 法人での利用 において、カスタマイズされた Firefox 環境を提供するためのポリシーエンジンの追加 (Windows のグループポリシーあるいはクロスプラットフォームな JSON ファイルを通じて)
- 新しいタブおよび Firefox ホームの改善
- 広い画面のユーザーに対してより多くのコンテンツを表示するレスポンシブレイアウト
- Pocket に保存されたウェブサイトを含むセクションのハイライト表示
- ページ上のセクション・コンテンツの並び替えのより多くのオプション
- Pocket Sponsored Stories の表示 (アメリカのユーザーのみ、詳細)
- 設定画面の「Cookie とサイトデータ」セクションの再設計 (より明確に、ファーストパーティとサードパーティを制御できるようになった)
- ブラウザー UI への Quantum CSS の適用
- Web Authentication API をサポート (USB トークンによってウェブサイトの認証を行うことが可能となる)
- カメラのプライバシーインジケーターの改良: 動画撮影を停止するとカメラおよびライトを消し、動画撮影の再開と共にカメラ・ライトを再度開始するようになった
- Linux: ブラウザー最上部にページタイトルを表示するかどうか選択することができるようになった
- Linux: WebRTC の音声および再生の改善
- TLS 1.3 の最新のドラフト版のサポートを既定で有効化
- オック語 (oc) ロケールを追加
修正
- 様々なセキュリティ修正
変更
- Windows: リーダービューへのショートカットを F9 に変更 (オルタネートグラフィックキー (AltGr) が存在するキーボードレイアウトでの互換性向上のため)
- ブックマーク上の同じ URL に対して複数のキーワードを設定することができなくなった (異なる POST データを要求する場合を除く)
- 2016 年 1 月よりも前に Symantec によって発行された TLS 証明書 は、信頼できない証明書として扱われる ようになった
- Skia グラフィックライブラリをマイルストーン 66 に更新
開発者
- 開発者に影響を与える変更
未解決の問題
- 新しいタブの設定で Sponsored Stories を無効にしても、次に開いたタブで表示されることがある (bug 1458906)
- macOS: Vive ヘッドセットを使用していると WebVR が機能しない (bug 1454204)
Firefox 60.0は、すでにFirefoxがインストールされている場合にはメニュー「Firefoxについて」からいつでもアップデートすることができます。
また、Windows、Mac、Linux、そしてAndroid版がMozillaウェブサイトよりダウンロード可能となっています。
Mozillaは、6〜8週間隔で新しいFirefoxのバージョンをリリースしています。Windows、Mac、Linuxなどのデスクトップ向け次期メジャー・アップデート版「Firefox 61」は2018年6月26日(火)のリリース予定となっています。