Mozillaは2019年1月30日(現地時間1月29日)、Windows、Mac、Linuxなどデスクトップ向けのWebブラウザFirefoxの定期的なメジャーアップデートとなる「Firefox 65.0」を正式リリースしました。
今回リリースされたMozillaのWebブラウザ最新バージョン「Firefox 65.0」は、2019年最初のメジャーリリースとなります。
ユーザートラッキングをデフォルトでブロックする使用に変更されました。これにより、ページ閲覧中のユーザーがどのようなサイトを閲覧、どのような行動を取っているのかを把握する「行動トラッキング」機能をシャットアウトします。これまで、トラッキング機能はプライバシーや自由なブラウジング使用の大きな障害となっていました。
また、macOSでのハンドオフをサポートし、MacのFirefox上で(FirefoxまたはSafari経由で)iOSで中断した場所をピックアップできる、macOSでのハンドオフのサポートしました。そのほかにも、AV1と呼ばれる次世代のロイヤリティフリーのビデオ圧縮技術をサポートし、 Windowsユーザーのためのより良いビデオストリーミング体験をサポートするなど、多くの新しい機能が追加されています。
Firefox 65.0デスクトップ版リリースノート
新機能
- トラッキング保護の改良: よりシンプルなコンテンツブロッキング設定により、オンライントラッカーのコントロールに対する制御を標準、厳格、カスタムから選択できるようになった。再設計されたサイト情報のパネル (アドレスバーの “i” アイコンから表示) から、Firefox が検知・ブロックしたトラッカーの情報を確認できる。コンテンツブロッキングの詳細は、Mozilla Blog を参照されたい。
- 多言語ユーザーの体験向上: 言語ごとの Firefox 自体をインストールすることなく、設定画面の 新しくなった言語セクション から、複数の言語パックをインストールし、言語の優先順位を設定できるようになった。
- macOS での Handoff のサポート: デバイスをまたいでのブラウジングが可能となった。
- Windows ユーザーのビデオストリーム体験の向上: AV1 と呼ばれる次世代のロイヤリティフリーな動画圧縮コーデックをサポートした。この新しい標準に対する Mozilla の貢献については こちらの記事 を参照されたい。
- WebP 画像フォーマット のサポートによるパフォーマンスおよびウェブ互換性の向上: WebP は既存のフォーマットと比較してより小さいファイルサイズで同等の画質を実現しており、帯域を節約しページの読み込みを高速化する。
修正
- Various security fixes.
変更
- macOS、Linux、Android におけるセキュリティの向上: スタック破壊に対するより強力な保護がすべてのプラットフォームで有効となった。
- ウインドウが閉じられるときに警告されるようになった (再起動時のセッション復元を有効にしているか否かにかかわらず)。
- パフォーマンス管理の向上: about:performance 内の 改良されたタスクマネージャー により、タブごと、アドオンごとのメモリ使用状況を確認できるようになった。
- ポップアップブロックの改良により、同時に開こうとしている複数のページからの複数のポップアップを抑止できるようになった。
エンタープライズ
- Windows 向けの MSI インストーラーが 32 ビットおよび 64 ビット両対応 となり、エンタープライズ用途での利用が容易となった。
開発者
- Flexbox の追加サポート: 新しい Flexbox インスペクターツールにより、Flexbox コンテナーの詳細および Flex アイテムサイズが確認できるようになった。
- インスペクター内でのすべての CSS の変更が新しい「変更点」タブに表示されるようになった
- デスクトップ環境での Storage Access API のサポート。
セキュリティ修正
今回のアップデートでのセキュリティ問題についての修正は合計11件で、重要度区分「最高(critical)」3件、「高(high)」3件、「中(moderate)」1件の修正が行われています。
- [critical]CVE-2018-18500:Use-after-free parsing HTML5 stream
- [high]CVE-2018-18503:Memory corruption with Audio Buffer
- [high]CVE-2018-18504:Memory corruption and out-of-bounds read of texture client buffer
- [high]CVE-2018-18505:Privilege escalation through IPC channel messages
- [moderate]CVE-2018-18506:Proxy Auto-Configuration file can define localhost access to be proxied
- [critical]CVE-2018-18502:Memory safety bugs fixed in Firefox 65
- [critical]CVE-2018-18501:Memory safety bugs fixed in Firefox 65 and Firefox ESR 60.5
「Firefox 65.0」は、Windows, Mac そして Linux向けがリリースされており、すでにFirefoxがインストールされている場合にはメニュー「Firefoxについて」から、あるいはMozillaWebサイトよりダウンロードいつでもアップデートすることができます。
なお、Firefox Stableはバージョン65.0、Firefox Betaはバージョン66.0、Firefox Nightlyはバージョン67.0、Firefox ESRはバージョン60.5に、それぞれアップデートされています。
Mozillaは、6〜8週間隔で新しいFirefoxのバージョンをリリースしています。Windows、Mac、Linuxなどのデスクトップ向け次期メジャー・アップデート版「Firefox 66」は現地時間2019年3月19日(火)のリリース予定となっています。