Microsoftは2022年11月9日(日本時間)、2022年11月の月例Windows UpdateとしてWindowsをはじめとしたセキュリティ更新プログラムを公開しました。セキュリティ脆弱性などの更新が含まれているので、Windows PCをお使いのユーザーは、なるべく早くアップデートを行いましょう。
今月のセキュリティ更新プログラムでは、Windowsのセキュリティ更新やバグ修正に関する計12件(緊急7件、重要5件)の新規セキュリティ情報を公開しています。
また、新規セキュリティ更新プログラムを公開すると共に、既存の脆弱性情報 7 件の更新と、新規のセキュリティアドバイザリ情報 1 件の公開を行いました。
なお、今月の「悪意のあるソフトウェアの削除ツール」では、このツールで削除できる悪意のあるソフトウェアが追加されています。詳細は、対象のマルウェアファミリ を参照してください。
Windowsユーザーはできるだけ早く、2022年11月の公開セキュリティ更新プログラムを適用することが推奨されます。
2022年11月のセキュリティ更新プログラムを公開した製品、コンポーネント一覧
Microsoftが2022年11月9日(日本時間)にセキュリティ更新プログラムを公開した製品およびコンポーネントの一覧が公開されています。
- .NET Framework
- AMD CPU Branch
- Azure
- Azure リアルタイム オペレーティング システム
- Linux カーネル
- Microsoft Dynamics
- Microsoft Exchange Server
- Microsoft Graphics コンポーネント
- Microsoft Office
- Microsoft Office Excel
- Microsoft Office SharePoint
- Microsoft Office Word
- ネットワーク ポリシー サーバー (NPS)
- オープン ソース ソフトウェア
- ロール: Windows Hyper-V
- SysInternals
- Visual Studio
- Windows Advanced Local Procedure Call
- Windows ALPC
- Windows Bind Filter ドライバー
- Windows BitLocker
- Windows CNG キー分離サービス
- Windows デバイス用ヒューマン インターフェイス
- Windows Digital Media
- Windows DWM Core ライブラリ
- Windows 拡張ファイル割り当て
- Windows グループ ポリシーの基本設定クライアント
- Windows HTTP.sys
- Windows Kerberos
- Windows Mark of the Web (MOTW)
- Windows Netlogon
- Windows Network Address Translation (NAT)
- Windows ODBC ドライバー
- Windows Overlay Filter
- Windows Point-to-Point Tunneling プロトコル
- Windows 印刷スプーラー コンポーネント
- Windows Resilient File System (ReFS)
- Windows スクリプト
- Windows Win32K
セキュリティ更新プログラム、セキュリティ アドバイザリに関する主な注意点
- 今月のセキュリティ更新プログラムで修正した脆弱性のうち、CVE-2022-41091 Windows Mark Of The Web セキュリティ機能のバイパスの脆弱性、CVE-2022-41073 Windows 印刷スプーラーの特権の昇格の脆弱性、CVE-2022-41125 Windows CNG キー分離サービスの特権の昇格の脆弱性、CVE-2022-41128 Windows スクリプト言語のリモートでコードが実行される脆弱性は、既に脆弱性の悪用が行われていることを確認しています。なお、CVE-2022-41091 Windows Mark Of The Web セキュリティ機能のバイパスの脆弱性はセキュリティ更新プログラムの公開よりも前に、脆弱性の情報が一般に公開されていたことを確認しています。影響を受ける環境をお使いのお客様は、早急に、更新プログラムの適用を行ってください。詳細は、各 CVE情報を参照してください。
- 9月29日(米国時間) に公開したCVE-2022-41040 Microsoft Exchange Server の特権の昇格の脆弱性 および CVE-2022-41082 Microsoft Exchange Server のリモートでコードが実行される脆弱性 の修正が含まれています。これらの脆弱性は、既に脆弱性の悪用が行われていることを確認していますので、影響を受ける環境をお使いのお客様は早急に更新プログラムの適用を行ってください。Microsoft Exchange の更新プログラムを展開する際のガイダンスは、Released: November 2022 Exchange Server Security Updates も併せてご参照ください。
- セキュリティ更新プログラムにおける既知の問題は、各セキュリティ更新プログラムのサポート技術情報を参照してください。既知の問題が確認されている各セキュリティ更新プログラムのサポート技術情報一覧は、2022 年 11 月セキュリティ更新プログラム リリースノートに掲載されています。
- 今月のセキュリティ更新プログラムで修正した脆弱性のうち、以下の脆弱性は、脆弱性からシステムを保護するために、セキュリティ強化の設定が実施されています。影響を受ける環境をお使いのお客様は、脆弱性のページおよびサポート技術情報をご参照いただき、セキュリティ強化による組織への互換性問題がないかなどを事前にご確認ください。
- CVE-2022-37966 Windows Kerberos RC4-HMAC の特権の昇格の脆弱性 : KB5021131
- 今月のセキュリティ更新プログラムで修正した脆弱性のうち、以下の脆弱性は、脆弱性からシステムを保護するために、追加の作業が必要です。また、今後のセキュリティ更新プログラムで、設定が強制される予定です。影響を受ける環境をお使いのお客様は、各脆弱性のページおよびサポート技術情報をご参照いただき、セキュリティ強化による組織への互換性問題がないかなどを確認した上で、早めに設定の有効化をお願いします。
- CVE-2022-37967 Windows Kerberos の特権の昇格の脆弱性 : KB5020805
- CVE-2022-38023 Netlogon RPC の特権の昇格の脆弱性 : KB5021130
- 今月のセキュリティ更新プログラムでは、Windows DCOM におけるセキュリティ強化が実施されています。影響を受ける環境をお使いのお客様は各脆弱性のページおよびサポート技術情報をご参照いただき、組織への影響をご確認ください。
2022年11月のセキュリティ更新プログラム一覧
Microsoftが2022年11月9日(日本時間)に公開したセキュリティ更新プログラムは次の通りです。
最新の情報は、セキュリティ更新プログラム ガイド を確認してください。
最大深刻度「緊急」のセキュリティ更新情報
製品ファミリ:Windows 11 および v22H2
■最も大きな影響を受ける内容
リモートでコードが実行される
■関連するサポート技術情報またはサポートのWebページ
5019961
v22H2 5019980
製品ファミリ:Windows 10 v21H2, v21H1, およびv20H2
■最も大きな影響を受ける内容
リモートでコードが実行される
■関連するサポート技術情報またはサポートのWebページ
5019959
製品ファミリ:Windows Server 2022 (Server Core installationを含む)
■最も大きな影響を受ける内容
リモートでコードが実行される
■関連するサポート技術情報またはサポートのWebページ
5019081
製品ファミリ:Windows Server 2019 , 2016 (Server Core installation を含む)
■最も大きな影響を受ける内容
リモートでコードが実行される
■関連するサポート技術情報またはサポートのWebページ
Windows Server 2019,5019966
Windows Server 2016,5019964
製品ファミリ:Windows 8.1, Windows Server 2012 R2, Windows Server 2012 (Server Core installation を含む)
■最も大きな影響を受ける内容
リモートでコードが実行される
■関連するサポート技術情報またはサポートのWebページ
Windows 8.1, Windows Server 2012 R2
Monthly Rollup 5020023
Security Only 5020010
Windows Server 2012
Monthly Rollup 5020009
Security Only 5020003
製品ファミリ:Microsoft Exchange Server
■最も大きな影響を受ける内容
特権の昇格
■関連するサポート技術情報またはサポートのWebページ
https://learn.microsoft.com/exchange
Released: November 2022 Exchange Server Security Updates
製品ファミリ:Microsoft Azure-related software
■最も大きな影響を受ける内容
リモートでコードが実行される
■関連するサポート技術情報またはサポートのWebページ
セキュリティ更新プログラムの詳細については、セキュリティ更新プログラム ガイド および https://learn.microsoft.com/azure を参考にしてください。
最大深刻度「重要」のセキュリティ更新情報
製品ファミリ:Microsoft Office
■最も大きな影響を受ける内容
リモートでコードが実行される
■関連するサポート技術情報またはサポートのWebページ
セキュリティ更新プログラムの詳細については、セキュリティ更新プログラム ガイド およびhttps://learn.microsoft.com/officeupdates を参考にしてください。
製品ファミリ:Microsoft SharePoint
■最も大きな影響を受ける内容
リモートでコードが実行される
■関連するサポート技術情報またはサポートのWebページ
セキュリティ更新プログラムの詳細については、セキュリティ更新プログラム ガイド およびhttps://learn.microsoft.com/officeupdates/sharepoint-updates を参考にしてください。
製品ファミリ:Microsoft .NET
■最も大きな影響を受ける内容
情報漏えい
■関連するサポート技術情報またはサポートのWebページ
セキュリティ更新プログラムの詳細については、セキュリティ更新プログラム ガイド および https://learn.microsoft.com/dotnet を参考にしてください。
h4>製品ファミリ:Microsoft Visual Studio
■最も大きな影響を受ける内容
リモートでコードが実行される
■関連するサポート技術情報またはサポートのWebページ
セキュリティ更新プログラムの詳細については、セキュリティ更新プログラム ガイド および https://learn.microsoft.com/visualstudioを参考にしてください。
製品ファミリ:Microsoft Dynamics
■最も大きな影響を受ける内容
情報漏えい
■関連するサポート技術情報またはサポートのWebページ
セキュリティ更新プログラムの詳細については、セキュリティ更新プログラム ガイド および https://learn.microsoft.com/dynamicsを参考にしてください。
既存の脆弱性情報の更新
Microsoftが2022年11月9日(日本時間)に公開した、既存の脆弱性7件の更新情報は次の通りです。
CVE | 変更内容 |
CVE-2022-35823 CVE-2022-35837 |
影響を受ける製品の CVSS スコアを1つ以上更新しました。これは情報のみの変更です。 |
CVE-2022-34730 CVE-2022-34732 CVE-2022-34734 |
FAQ 情報を追加しました。今回の更新は情報のみの変更です。 |
CVE-2022-41040 CVE-2022-41082 |
マイクロソフトは 2022 年 11 月 12 日にこの脆弱性を解決する更新プログラムをリリースしました。影響を受けるバージョンの Microsoft Exchange Server を実行している場合は、保護するために更新プログラムをインストールする必要があります。 |
新規のセキュリティ アドバイザリの公開
Microsoftが2022年11月9日(日本時間)に公開した、新規のセキュリティアドバイザリ1件を公開しました。
ADV220003 Microsoft Defense in Depth Update
マイクロソフトは、Microsoft Defense in Depth Update としてセキュリティを強化する Microsoft Office 向けの更新プログラムをリリースしました。この更新プログラムは、証明書チェーンの信頼を確保するために、IRM で保護されたドキュメントを強化します。
その他情報
最新のサービス スタック更新プログラム (SSU) は、アドバイザリ ADV990001 にてご確認ください。
Microsoft Edge (Chromium-based) のセキュリティ情報は、公開のスケジュールが月例のリリースとは異なりますので、セキュリティ更新プログラム ガイド上で製品にて Microsoft Edge (Chromium-based) を選択してご確認ください。または、Edge のセキュリティ リリース情報にてご確認ください。
各脆弱性情報 (CVE) のページには、緩和策、回避策、注意事項やよく寄せられる質問など、追加の情報が掲載されている場合があります。セキュリティ更新プログラムの適用の前に、併せてご確認ください。
最新の情報は、セキュリティ更新プログラム ガイド を確認してください。セキュリティ更新プログラムガイドでは、セキュリティの脆弱性および更新プログラムの情報を、CVE、KB 番号、製品、またはリリース日別に並べ替えたりフィルターをかけたりすることができます。各月のセキュリティ更新プログラムを絞り込むには、日付範囲に絞り込む月の第 2 火曜日を指定して検索してください。なお、セキュリティ更新プログラム ガイド API を活用して、自社に特化したカスタム レポートを作成することができます。API の活用方法を紹介する 6 つのビデオ (API の情報 (GitHub)、API へのアクセス、HTML ファイルの出力、Excel へのエクスポート、CVE リストの取得、KB リストの取得) を公開していますので、是非ご活用ください。
マイクロソフトでは、セキュリティ更新プログラムの新着情報及び更新情報を、お客様がタイムリーに受け取れるように、通知方法法をリニューアルしました。まだ購読されていない方、これまでのメールでの通知のみ受信している方は、この機会にどちらかの方法で、是非ご登録ください。
- 通知方法1 プロファイルを作成する方法 : セキュリティ更新プログラム ガイドの通知システム : 今すぐプロファイルを作成しましょう
- 通知方法2 RSS フィードで購読する方法 : セキュリティ更新プログラムの通知・配信の改善 – 新しい配信方法について
次回、2022年12月のWindows Update、セキュリティ更新プログラムのリリースは、12月14日(日本時間)の予定となっています。また、2023年のセキュリティ更新プログラムのリリーススケジュールも公開されました。2023年の年間スケジュールについてはこちらを参照ください。
Source:Microsoft
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