Mozillaは2018年1月24日(現地時間1月23日)、Windows、Mac、Linuxなどデスクトップ向けのWebブラウザFirefoxの定期的なメジャーアップデート版「Firefox 58」をリリースしました。
Firefox 58では、Firefox Quantumと名付けられたFirefox 57で搭載された新エンジンに加えて、マルチコアCPUの機能を有効活用することでさらにブラウジングの高速化を実現しているようです(Source:Mozilla Hacks – the Web developer blog)。
実際、今回のFirefoxではOMTP(Off-Main-Thread Painting)を使用してWindowsユーザー向けのグラフィック・レンダリングやFirefoxのキャッシュとJavaScriptの取得方法を変更して、ページをすばやく読み込むなどのパフォーマンスの改善がなされています。
その他にも、新機能としてFirefoxのスクリーンショットについての機能が追加され、コピーしてクリップボードに直接貼り付けたり、プライベートブラウジングモードで動作するようになっています。
Firefox 58.0デスクトップ版リリースノート
新機能
- 以下を含むパフォーマンスの改善:
- Windows: Off-Main-Thread Painting (OMTP) によるグラフィックレンダリング
- JavaScript のキャッシュおよび処理 の方法の変更によるページの読み込みの高速化
- スクリーンショット機能の改善:
- クリップボードへの直接コピー&ペースト
- プライベートブラウジングモードでも利用可能になった
- ネパール語 (ne-NP) ロケールを追加
- バージョン 57 からの新機能:
トラッキング防止を常に有効にする ことが可能となっている。トラッキング防止については こちら を参照されたい
修正
- Linux: 非標準のフォルダにインストールされたフォントが空白で表示されることなく正常に表示されるようになった
- Various security fixes
変更
- Firefox 58 以降で作成されたプロファイルは以前のバージョンの Firefox では利用できなくなった。Firefox をダウングレードする場合には新しいプロファイルを作成する必要がある。Firefox のダウングレードについては こちら を参照されたい
- Symantec 発行の証明書 を gradual distrust plan段階的に信頼しなくする計画 の影響を受けるユーザーおよびサイト管理者に警告を発するようになった
開発者
- PerformanceNavigationTiming API の実装
- PerformanceResourceTiming.workerStart の追加により、ウェブサイトがサービスワーカーの起動時間を計測可能になった
未解決
- リモートデスクトップ接続 (RDP) 上で Windows 版 Firefox を実行しているユーザーは、強化されたセキュリティ制限の影響で音声の再生が無効化されていることに気が付くかもしれない (今後のバージョンで修正されるまで この問題を緩和する方法を Firefox ヘルプ で紹介している)
- スクリーンリーダーを使用しているユーザーは、パフォーマンスの問題を抱える可能性があり、今後のバージョンで修正されるまで Firefox ESR を使う ことを推奨
Mozillaは、6〜8週間隔で新しいFirefoxのバージョンをリリースしています。Windows、Mac、Linuxなどのデスクトップ向け次期メジャー・アップデート版「Firefox 59」は2018年3月13日(火)のリリース予定となっています。