自転車のペダルの回転数をケイデンスと言います。それを測るのがケイデンスセンサー。最近のケイデンスセンサーはクランク(ペダルがついている棒)の内側に取り付けて使います。私が使っているガーミンのケイデンスセンサーを取り付けた位置はペダルに近いところですが、センサーを固定しているゴムバンドにたまに靴が当たってキュッキュと音がする。ネットを検索すると、同じ理由でゴムバンドが切れた人もいる。それで、クランクの真ん中あたりにセンサーを移動してみたら・・・
ちゃんと動くじゃないですか!
じゃあ、クランクの根元に付けても動くのか?
とやっているうちに、いろんなところにケーデンスセンサーを移動して、反応するか試してみたくなりました。リアハブ(後輪の車軸)に付けたら動くのか、スポークに付けたらどうなるのか。
そういう、あまり役に立たない実験に興味のある方はお読みください。
1.なぜ、ペダル近くにセンサーを取り付けたのか
まず、最初に、なぜペダル近くにセンサーを取り付けたのかという話から、
「ペダル近く」というのは、ここです。
ペダル側にゴムバンドが3本見えますが、これが靴とたまに擦れるんですね。ビンディングシューズを使っている人はクリートの位置によっては、ゴムバンドに頻繁に接触するのでさらに切れやすくなる。
だったら、もっと上に付ければいいじゃない!
確かにそうなんですが、「ガーミン ケーデンスセンサー 取り付け位置」でネットを検索するとペダル近くに付けている人がほとんど。その理由を推測すると、ガーミンの説明書の図がそうなっていたから、だと思うんですね(英語版です)。
この図を見たら、誰だってペダルの近くに付けるものだと思うはず。最近のガーミンのサイコンEdge1030のマニュアルにも同じ図と説明が使われています。
でも、改めて英語の説明を見たら、
The sensor and bands should not contact any part of your bike or shoe.
(センサーとバンドは、バイクと靴のどの部分にも触れてはいけません。)
と書いてある。でも、センサーの取り付け位置は、非ドライブ側(フロントギアのない側)のクランクの内側とあるだけで、具体的にそのどのへんに付けろとか、付けてはいけないとかは書いてない。
これは、もう
自分で試してみるしかない!
2.クランクの根元に付けたら動くか?
それで最初に付けてみたのが、ここです。
【実験1】クランクの根元に付けて動くか
結果は、正常に動きました。
次にやってみたのが、
【実験2】クランクの回転軸に付けたら動くか
クランクの回転軸というのは、ここです。
センサーに付属しているゴムバンドは柔軟性がないので、普通の輪ゴムでクランク軸の表に無理やり取り付けてみました。
結果は、これも正常に動きました。
回転軸と同じ位置でも計測できるということです。
【実験3】クランクの回転軸にセンサーを取り付けたらどうなるか
よく見ると、クランクの回転軸に穴があいている。
ここに棒を刺して、
ケイデンスセンサを取り付けたらどうなるか。
結果は、センサー無反応!
センサー類を全部リセットし、サイコンアプリを立ち上げ直すこと3回。
ケイデンスセンサーはピクリともしません。
何が違うんでしょうね。
ちなみにケイデンスセンサーを通常通りクランク内側に付ければ、クランクを逆回転させても回転数を計測できます。
(だから、走る前にケイデンスセンサーがサイコンに繋がっているかは、ペダルを逆回転させて確かめればいい)
ここまでの実験を踏まえて出てきた仮説は、
ケイデンスセンサーは、側転はできるけど、前転はできない子なんじゃないか。
(わかりづらく言い換えれば、クランクの回転面の方向の回転のみ測定できる)
3.ほかの場所でも試したみた
2で出てきた仮説「ケイデンスセンサーは、側転はできるけど、前転はできない」を確かめるべく、さらにやってみたのが、
【実験4】クランクの側面にセンサーを付けて反応するか
実験3とセンサーの向きは同じ、要するに前転なので、反応しないはず。
クランクの側面というのは、ここです。
結果は、反応しない!
やっぱりです。
今度は、クランンクのことは忘れて、「ケイデンスセンサーは前転方向は測定できない」ことを別の角度から確かめてみましょう。
それが、
【実験5】センサーをリアハブに付けたら動くのか!
リハハブというのは、後輪の車軸です。回転方向は実験3、実験4と同じ前転。ここに側転方向しか計測できないケイデンスセンサーを取り付けたらどうなるか。
結果は、 動きませんでした。
もう、間違いないですね。ここまできたら、とことんやってみましょう。
【実験6】スポークにセンサーをつけたらどうなるか
センサーの向きはクランクの取り付け面と同じ向きだから動くはずはずです。
ただし、ハブとリムの間に貼られたスポークは、完全に水平ではなく、ハブの方が少し幅があるため多少傾いている。そこは気になる点です。
結果は、 動きました。
だいたいクランクの回転面方向なら反応してくれるようです。
4.最後に「遠心力がーー」と思ってしまうあなたに
ペダル近くにケイデンスセンサーを固定してしまった自分を戒める実験を、最後に。
ケイデンスセンサーをスポークの根元(車軸に近い方)とリム(外枠)に近い方に付けた場合では、
計測される回転数に違いはあるか。
「計測される回数」と言ったのはクランクの回転数ではなく、タイヤの回転数だからです。
クランクのペダルに近い方にセンサーを固定してしまった自分の心理を考えると、
「クランク軸から遠い方が遠心力が働いて、なんか正確に測れそう」
という気持ちがあったのです。「ケイデンスセンサーはクランクの内側ならどこにつけても同じ」を極端な実験で自分に納得させたい!
それで考えた最終実験が、これ。
【実験7】センサーをスポークの根元とリムに近い方に付けた場合で、表示される回転数に違いはあるか
ギアはアウター×トップで行いました。私のロードバイクのアウターは50T、トップギアは12Tなので、ペダルを1回転させれば後輪は4.17回転します(Tはギアの歯数。ロードバイクのギアは後輪だけでなく、フロント(ペダルのところ)もアウター、インナーの2段になってます。フロントが3段のロードバイクもあります)。
↑と思っていたのですが、後で見たらギアはインナー×ローになっていた! えええっ!!
いつ変えたか、それとも最初からこのままだったのか、記憶が定かでない。もう一度やり直すのも面倒臭いし、途中でギアは変えていないので、「同じギアで実験した」ということで以下の結果を見てください。
ペダルは手で回すので、正確に同じ回転数での比較とは言えませんが、両方目一杯回すということで、納得してください。使っているサイコンアプリはruntastic road bike pro GPSです。
カテゴリ: ヘルスケア/フィットネス,スポーツ
販売元: runtastic – runtastic(サイズ: 57.76 MB)
全てのバージョンの評価: (4098件の評価)
やってみた結果は、
▼ホイール(リム)に近い方にセンサーを付ける
▼ハブ(車軸)に近い方にセンサーを付ける
上の例はたまたま同じ回転数ですが、数回やってもほぼ変わりませんでした。
というわけで、最後にこれだけは言えます。
ケイデンスセンサーは、クランクの内側のどこに付けても同じ。
実は、リアハブに巻いて固定するスピードセンサーも、クランクやスポークのあちこちに取り付けて試してみました。スピードセンサーに何を測らせているかは別にして、ケイデンスセンサーと同じ側転方向でも前転方向でも動きました。
スピードセンサーとケイデンスセンサー、何が違うんでしょうね。
ネットを検索すると、「ガーミンのセンサーは磁石を使わず加速度センサーでスピードやケイデンスを検知する」とあります。
加速度センサーで回転数を測ったほうが合理的な理由があるのか、本当はジャイロセンサー(角速度センサー)なのか、いくら調べても基礎知識がないので、いまいちわかりません。
でも、ケイデンスセンサーのゴムバンドが擦り切れることは回避できそうなので、「よっしゃ、今日はこれぐらいにしといたるわ」。
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この記事へのコメント
クランクアームに取り付けるケイデンスセンサーの購入を考えているのですが、チェーンステーの形状からアーム先端近くに取り付けることが難しく、軸近くでも大丈夫かどうか悩んでいました。
なので、この記事はズバリな内容で助かりました。