Mozillaは2019年1月30日(現地時間1月29日)、Windows PC、MacおよびLinux向けメールクライアントThunderbirdの最新バージョン「Thunderbird 60.5.0」をリリースしました。
今回のアップデートでは、デフォルトで他の検索エンジンGoogleやDuckDuckGoが利用可能になりました。
メジャーアップデート・バージョン「Thunderbird 60.0」では、「Firefox Quantum」で採用された“Photon”デザインが導入され、外観がFirefoxと共通となりました。また、Thunderbird 60.0はFirefox 60と同じレンダリングエンジン「Gecko 60」を搭載しており、バックエンドもFirefox 60相当となっています。
Thunderbird 60.5.0リリース ノート
新機能
- FileLink (添付ファイルをリンク共有するもの) プロバイダーとして WeTransfer をサポート。
- ローカルの XML ファイルから OpenSearch 検索エンジンを追加できるようになった。
- より多くの検索エンジン: いくつかの言語において Google および DuckDuckGo を既定で利用可能となった。
- アカウント作成において、Microsoft Exchange プロトコルを利用するサーバーを検出可能となった。このプロトコルをサポートするサードパーティーアドオン (Owl) のインストールが必要となる。
修正
- Dropbox アドオン などの WebExtension ベースの FileLink アドオンをサポート。
- 新着メッセージ通知の音をカスタマイズしているとクラッシュする問題を修正。
既知の問題点(未解決)
- Mozilla プラットフォームの変更により、Windows のネットワーク共有においてドライブレターが割り当てられていたプロファイルは、UNC で認識される。
- いくつかのサーバーへの CalDav アクセスが機能しない。network.cookie.same-site.enabled を false とすることで回避できる。
- チャット: Twitter.com での API の変更により、Twitter が機能しない。
セキュリティ修正
今回のアップデートでのセキュリティ問題についての修正は合計11件で、重要度区分「最高(critical)」2件、「高(high)」1件、「低(low)」1件の修正が行われています。
- [critical]CVE-2018-18500:Use-after-free parsing HTML5 stream
- [high]CVE-2018-18505:Privilege escalation through IPC channel messages
- [low]CVE-2016-5824:DoS (use-after-free) via a crafted ics file
- [critical]CVE-2018-18501:Memory safety bugs fixed in Firefox 65, Firefox ESR 60.5, and Thunderbird 60.5
なお、ThunderbirdのカレンダーアドオンであるLightningをインストールしている場合、Windows、Mac、Linux向けメールクライアント「Thunderbird」の新しいバージョンに合わせて自動的に更新されます。ただ、既存のThunderbird 5以降からの自動アップデートは停止されているので、以下のようにメニュー「Mozilla Thunderbirdについて」から新規ダウンロードを行う必要があります。
システム要件
- Windows:Windows 7、Windows Server 2008 R2以降
- Mac:Mac OS X 10.9以降
- Linux:GTK + 3.4以上。
また、新規にダウンロードする場合などでは、MozillaのThunderbirdダウンロードサイトからダウンロードすることができます。