Mozillaは2021年9月8日(現地時間9月7日)、Windows、Mac、Linuxなどデスクトップ向けのWebブラウザFirefoxの定期的なメジャーアップデートとなる「Firefox 92.0」を正式リリースしました。
今回リリースされたMozillaのWebブラウザ最新バージョン「Firefox 92.0」では、以下の新しい機能や修正が行われています。
Firefox 92.0デスクトップ版リリースノート
新機能
- よりセキュアな接続: Alt-Svc ヘッダーとして HTTPS RR を利用することで自動的に HTTPS 接続へアップグレードできるようになった
- 多くのシステムでの動画再生において、フルレンジのカラーレベルをサポート
- macOS: ファイルメニューから macOS の共有オプションを利用できるようになった
- macOS: ICC v4 プロファイルのサポートを有効化
修正
- Thunderbird がインストールされている、あるいは Firefox を更新すると、スクリーンリーダーなどのアクセシビリティツールを有効にしているとパフォーマンスが低下する問題を修正
- macOS: aria-expanded 属性を持つボタンやリンクが VoiceOver によって正しくマークされるようになった
- タブ内でアラートを開くと、同じプロセスで稼働する他のタブのパフォーマンスが低下する問題を修正
変更
- macOS: ブックマークツールバーのメニューが Firefox のビジュアルスタイルに従うようになった
- 証明書エラーページが再デザインされた
- パフォーマンス向上およびメモリ使用量低減を目的とした、Firefox の JavaScript メモリー管理の再構築のための継続的な変更
Enterprise
- エンタープライズ用途向けの詳細は Firefox for Enterprise 92 リリースノート を参照されたい
セキュリティ修正
今回のアップデートでのセキュリティ修正は合計5個で、重要度別の区分では重要度区分「最高(critical)」はないものの、「高(high)」3件、「中(moderate)」2件の修正が行われています。
重要度「高」のセキュリティ修正情報
- CVE-2021-29993: Handling custom intents could lead to crashes and UI spoofs
- CVE-2021-38493: Memory safety bugs fixed in Firefox 92, Firefox ESR 78.14 and Firefox ESR 91.1
- CVE-2021-38494: Memory safety bugs fixed in Firefox 92
重要度「中」のセキュリティ修正情報
- CVE-2021-38491: Mixed-Content-Blocking was unable to check opaque origins
- CVE-2021-38492: Navigating to `mk:` URL scheme could load Internet Explorer
▶︎Security Vulnerabilities fixed in Firefox 92 — Mozilla
「Firefox 92.0」は、Windows, Mac そして Linux向けがリリースされており、すでにFirefoxがインストールされている場合にはメニュー「Firefoxについて」から、あるいはMozillaWebサイトよりダウンロードいつでもアップデートすることができます。また、延長サポート版である Firefox ESRについても 78.14.0 にバージョンがアップデートされています。
なお、Firefox 92 は macOS バージョン 10.9, 10.10, 10.11 をサポートしません。これらの macOS バージョンを利用している対象の方は、今年後半まで継続して延長サポート版 (ESR) 78.x がリリースされるので、そちらへ移行して頂きたいです。
Mozillaは、6〜8週間隔で新しいFirefoxのバージョンをリリースしています。Windows、Mac、Linuxなどのデスクトップ向け次期メジャー・アップデート版「Firefox 93」は現地時間2021年10月5日(火)のリリース予定となっています。