Mozillaは2022年3月9日(現地時間3月8日)、Windows、Mac、Linuxなどデスクトップ向けのWebブラウザFirefoxの定期的なメジャーアップデートとなる「Firefox 98.0」を正式リリースしました。
今回リリースされたMozillaのWebブラウザ最新バージョン「Firefox 98.0」では、以下の新しい機能や修正が行われています。
Firefox 98.0デスクトップ版リリースノート
新機能
- ダウンロードのフローを最適化。毎回プロンプトを表示する代わりに、自動的にファイルをダウンロードするようになった。ダウンロードパネルからワンクリックでファイルを開くことはこれまで通り可能である。詳細は以下の サポート記事 を参照されたい多くのオプションが用意されている:
- 常に既定のプログラムで開く: ファイルの種類に応じてシステムの既定のアプリケーションを開く
- 保存フォルダーを開く: ダウンロードしたファイルが保存されているフォルダーを開く
- ダウンロード元のページを開く: サイトから離れたりタブを閉じた後でも、ダウンロード元のページを開く
- ダウンロード元の URL をコピー: リンクの共有、保存などのためダウンロード元の URL をコピー
- 削除: ダウンロードパネルやダウンロードの履歴から直接ファイルを削除できるようになった
- 履歴から削除: ダウンロードしたファイルの一覧からファイルを削除
- プレビューパネルの消去: ダウンロード開始時に開かれるプレビューパネルに表示されるダウンロードしたファイルの一覧を削除
このリリースより、ファイルの種類ごとの ダウンロードしたファイルの取り扱い方法を変更 しない限り、アプリケーションの選択あるいはファイルの保存のどちらを行うか尋ねられることはなくなるダウンロードを開始するたびに、ダウンロードパネルが前面に表示されるようになった。これにより、ユーザー体験への阻害を最低限に抑えつつダウンロードしたファイルをすぐに見つけることができる。加えて、何度も閉じる必要がないよう、複数のダウンロードが同時に進行している場合にはパネルを表示しないダウンロードが完了する前でも、ダウンロードパネル内のファイルをクリックすることができるようになった。ファイルが利用可能になるとすぐにファイルが開かれるダウンロードしたファイルは一時フォルダーを経由することなくすぐにディスクに保存される。保存先は、あらかじめ設定したダウンロードフォルダーか、ダウンロードのたびに個別に指定する。
- Firefox の検索エンジンは、ビルトインされた複数から選択することができる。本リリースでは、Mozilla が厳格な許諾を保証できない複数の検索エンジンを既定のエンジンに指定しているユーザーに対して、検索エンジンが変更されたことが通知される。
修正
- ファイルの種類ごとの既定のアプリケーションを設定できるようになった。
- Firefox 98 への更新以降、ダウンロードの取り扱いの「毎回確認する」がリセットされる。
Enterprise
- エンタープライズ用途向けの詳細は Firefox for Enterprise 98 リリースノート を参照されたい。
開発者
- ウェブ開発ツールの 互換性サイドバーパネル が利用可能となった。選択した要素やページ全体について、CSS プロパティの互換性に関する警告が表示される
これにより、個々のブラウザーでの確認を行うことなくウェブ互換性を検出することが可能となる。互換性の情報は MDN から引用される。 - マークアップビューのインスペクターのイベントツールチップから、与えられたノードのイベントリスナーを無効化できるようになった。また、少なくとも 1 つのイベントが無効化されていると、変更が行われていることを示すために “event” バッジのスタイルが変更される。
- Fluent の疑似ローカライズされた双方向テキスト/アクセントのためのブラウザーツールボックスの新しい UI。
- デバッガーに「行を無視」コンテキストメニューを追加 (devtools.debugger.features.blackbox-lines が true の場合)。また、「ソースを無視」のアイコンと無視された行の背景色を改善。
- windows.open を通じて開いたタブでウェブ開発者ツールを自動的に開くようになった (devtools.popups.debug による)。ウェブ開発ツールが開かれているページ上で window.open によって新しいタブが開かれると、iframer ピッカーおよびコンテキストセレクターで新しいドキュメントが選択された状態でツールボックスが新しいタブに移動する。
Web Platform
- HTML の dialog 要素が利用可能となった。
- Form に関連したカスタム要素 が利用可能となった。ウェブ作成者が定義・作成したカスタム要素をフォーム投稿に利用できる。
- CSS の hyphenate-character プロパティが利用可能となった。ハイフン (
-
) による改行において、ハイフンの代わりに使用する文字列を指定できる。
セキュリティ修正
今回のアップデートでのセキュリティ修正は合計7個で、重要度別の区分では重要度区分「最高(critical)」はないものの、「高(high)」4件、「中(moderate)」3件の修正が行われています。
重要度「高」のセキュリティ修正情報
- CVE-2022-26383: Browser window spoof using fullscreen mode
- CVE-2022-26384: iframe allow-scripts sandbox bypass
- CVE-2022-26387: Time-of-check time-of-use bug when verifying add-on signatures
- CVE-2022-26381: Use-after-free in text reflows
重要度「中」のセキュリティ修正情報
- CVE-2022-26382: Autofill Text could be exfiltrated via side-channel attacks
- CVE-2022-26385: Use-after-free in thread shutdown
- CVE-2022-0843: Memory safety bugs fixed in Firefox 98
▶︎Security Vulnerabilities fixed in Firefox 98 — Mozilla
「Firefox 98.0」は、Windows, Mac そして Linux向けがリリースされており、すでにFirefoxがインストールされている場合にはメニュー「Firefoxについて」から、あるいはMozillaWebサイトよりダウンロードいつでもアップデートすることができます。また、延長サポート版である Firefox ESR 91.7.0 もリリースされています。
Mozillaは、6~8週間隔で新しいFirefoxのバージョンをリリースしています。Windows、Mac、Linuxなどのデスクトップ向け次期メジャー・アップデート版「Firefox 99」は現地時間2022年4月5日(火)のリリース予定となっています。
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