Mozillaは2023年9月27日(現地時間9月26日)、Windows、Mac、Linuxなどデスクトップ向けのWebブラウザFirefoxの定期的なメジャーアップデートとなる「Firefox 118.0」を正式リリースしました。
今回リリースされたMozillaのWebブラウザ最新バージョン「Firefox 118.0」では、以下の新しい機能や修正が行われています。
Firefox 118.0デスクトップ版リリースノート
新機能
- ウェブコンテンツの自動翻訳が利用可能となった (日本語への翻訳はまだ利用できない)。クラウドベースの他の翻訳サービスとは異なり、Firefox による翻訳はローカルで行われるため、翻訳対象のテキストが外部に送信されることはない。
- すべてのプラットフォームにおいて、ウェブオーディオで FDLIBM 数学ライブラリが利用されるようになった。フィンガープリント採取防止機能 により匿名性が向上する。
- プライベートウインドウにおけるフォントによるフィンガープリント対策として、ウェブサイトが取得可能なフォントがシステムフォントと言語パックのフォントに限定されるようになった。
- Google Meet においてビデオエフェクトと背景ぼかしを利用可能となった (注: Firefox 115 まで遡って利用可能となる)。
- Firefox サジェストのユーザー (現時点ではアメリカのみ) が、キーワードに応じたアドオンのサジェストも受けられるようになった。
Enterprise
- エンタープライズ用途向けの詳細は Firefox for Enterprise 118 リリースノート を参照されたい。
Developer
- ウェブ互換性の推定が、開発者ツールのインスペクターの CSS 互換性ツールチップに拡張された。ウェブ互換性の問題を引き起こす可能性のある属性の横にアイコンが表示されるようになる。アイコンにマウスをホバーすると、対応していないブラウザー、MDN へのリンクが表示される。
- 永続ログが有効な場合、
console.clear()
によってコンソールの出力が消去されないようになった。
Web Platform
- 10 の CSS 数学関数をサポート: round, mod, rem, pow, sqrt, hypot, log, exp, abs, sign
- OpaqueResponseBlocking を既定で有効化。
セキュリティ修正
今回のアップデートでのセキュリティ修正は合計9個で、重要度別の区分では重要度区分「最高(critical)」はないものの、「高(high)」6件、「中(moderate)」2件、そして最も低レベルの「低(low)」1件の修正が行われています。
重要度「高」のセキュリティ修正情報
- CVE-2023-5168: Out-of-bounds write in FilterNodeD2D1
- CVE-2023-5169: Out-of-bounds write in PathOps
- CVE-2023-5170: Memory leak from a privileged process
- CVE-2023-5171: Use-after-free in Ion Compiler
- CVE-2023-5172: Memory Corruption in Ion Hints
- CVE-2023-5176: Memory safety bugs fixed in Firefox 118, Firefox ESR 115.3, and Thunderbird 115.3
重要度「中」のセキュリティ修正情報
- CVE-2023-5173: Out-of-bounds write in HTTP Alternate Services
- CVE-2023-5174: Double-free in process spawning on Windows
重要度「小」のセキュリティ修正情報
- CVE-2023-5175: Use-after-free of ImageBitmap during process shutdown
注意事項
-
2023 年 1 月に Microsoft による Windows 7 および 8 のサポートが終了したことに伴い、Firefox によるこれらのバージョンの Windows のサポートはバージョン 115 で終了しています。Windows 7 および 8 のユーザーは、ESR 115 系列へ自動的に移行され、2024 年 9 月までセキュリティ修正が提供されます。詳細は サポート記事 を参照してください。
同様に、Apple macOS 10.12、10.13、10.14 のサポートもバージョン 115 で終了しています。これらのユーザーも ESR 115 系列へ自動的に移行され、2024 年 9 月までセキュリティ修正が提供されます。詳細は サポート記事 を参照してください。
▶︎Security Vulnerabilities fixed in Firefox 118 — Mozilla
「Firefox 118.0」は、Windows, Mac そして Linux向けがリリースされており、すでにFirefoxがインストールされている場合にはメニュー「Firefoxについて」から、あるいはMozillaWebサイトよりダウンロードいつでもアップデートすることができます。Firefox 118.0 の利用に必要なシステム要件については、Firefox 118.0 システム要件 を参照してください。また、延長サポート版である Firefox ESR もバージョン 115.3.0 にアップデートされています。
Mozillaは、6~8週間隔で新しいFirefoxのバージョンをリリースしています。Windows、Mac、Linuxなどのデスクトップ向け次期メジャー・アップデート版「Firefox 119」は現地時間2023年10月24日(火)のリリース予定となっています。
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