Mozillaは2025年4月2日(現地時間4月1日)、Windows、Mac、Linuxなどデスクトップ向けのWebブラウザFirefoxの定期的なメジャーアップデートとなる「Firefox 137.0」を正式リリースしました。

今回リリースされたMozillaのWebブラウザ最新バージョン「Firefox 137.0」では、以下の新しい機能や修正が行われています。
Firefox 137.0デスクトップ版リリースノート
新機能
- タブグループ のロールアウト展開が開始された。関連のあるタブをグループ化することで、生産性と整理された状態を保つことができる。グループ化の簡単な方法は、タブを他のタブにドラッグしハイライト表示されるまで待つことである。グループには名前を付けたり色を指定することができ、そのまま保存される。グループを閉じ、また開くことも可能である。
- Firefox アドレスバーの刷新 2025 – 新規、過去に閲覧したものの検索の新しい方法 – すべてをアドレスバーから:
機能
統合検索ボタン: アドレスバーに設置されたすぐにアクセスできる新しいボタンから、検索エンジン、検索モードを簡単に切り替えできる。この機能により、モバイル版のシンプルさをデスクトップ版でも実現できる。
検索語句の保持: アドレスバー内で検索語句を修正すると、元の語句も保持されるようになる。検索クエリーを調整し、真に探しているものが何なのか見つけやすくなる。
セカンダリアクションボタン: Firefoxの共通機能のサジェスト
文脈に応じた検索モード: 検索機能のあるウェブサイトを閲覧中であることを検出し、そのウェブサイトの検索エンジンでの検索をアドレスバーから直接実行できる。この機能を 2 回以上使うと、Firefox にその検索エンジンを追加するか提案される。
文脈に応じた検索モードのオプション: 文脈に応じた検索モードを 2 回以上使うと、Firefox にその検索エンジンを追加するか提案される。エンジンを追加することで、いつでもその検索エンジンを利用することが可能となる。
直感的な検索キーワード: 様々な検索モードに対して簡便かつ説明的なキーワードでアクセスできる (例: @bookmarks, @tabs, @history, @actions)。
- PDF内のすべてのリンクを検出し、ハイパーリンクへ変換するようになった。
- Linux: HEVC の再生をサポート。
- Firefox から離脱することなく PDF に署名できるようになった。署名の再利用も可能である。
- アドレスバーを計算機として使用できるようになった。計算式を入力だけでアドレスバーのドロップダウンに計算結果が表示される。結果をクリックすることでクリップボードにコピーされる。
Enterprise
- エンタープライズ用途向けの詳細は Firefox for Enterprise 137 リリースノート を参照されたい。
Developer
- インスペクターのフォントパネルに、フォントのバージョン、デザイナー、ベンダー、ライセンスなどのメタデータが表示されるようになった。
- ネットワークパネル内で、ローカルファイルによって ネットワークのリクエスト要求を上書き できるようになった。
Web Platform
- SVG 2 path API をサポート。
- hyphenate-limit-chars プロパティをサポート。自動ハイフネーションの挙動をウェブサイトの作者がよりコントロールできるようになる。
セキュリティ修正
今回のアップデートでのセキュリティ修正は合計8個で、重要度別の区分では重要度区分「高(high)」3件、「中(moderate)」4件、そして最も低レベルの「低(low)」1件の修正が行われています。
重要度「高」のセキュリティ修正情報
- CVE-2025-3028: Use-after-free triggered by XSLTProcessor
- CVE-2025-3030: Memory safety bugs fixed in Firefox 137, Thunderbird 137, Firefox ESR 128.9, and Thunderbird 128.9
- CVE-2025-3034: Memory safety bugs fixed in Firefox 137 and Thunderbird 137
重要度「中」のセキュリティ修正情報
- CVE-2025-3031: JIT optimization bug with different stack slot sizes
- CVE-2025-3032: Leaking file descriptors from the fork server
- CVE-2025-3029: URL bar spoofing via non-BMP Unicode characters
- CVE-2025-3035: Tab title disclosure across pages when using AI chatbot
重要度「低」のセキュリティ修正情報
既知の問題
未解決
- 以前のバージョンで、Firefox の終了時に「履歴」あるいは「サイトデータ」を削除するよう設定していた場合、アップデート後に「Cookie とサイトデータ」および「一時的にキャッシュされたファイルとページ」も削除されるよう設定が強制的に変更される
この問題で影響を受けるユーザーは、アップデート後に設定メニューの「プライバシーとセキュリティ」タブからこの 2 つのチェックを外す必要がある (Bug 1952564)
注意事項
▶︎Security Vulnerabilities fixed in Firefox 137 — Mozilla
「Firefox 137.0」は、Windows, Mac そして Linux向けがリリースされており、すでにFirefoxがインストールされている場合にはメニュー「Firefoxについて」から、あるいはMozillaWebサイトよりダウンロードいつでもアップデートすることができます。Firefox 137.0 の利用に必要なシステム要件については、Firefox 137.0 システム要件 を参照してください。また、延長サポート版である Firefox ESR もバージョン 128.9.0 および 115.22.0 にアップデートされています。
Mozillaは、6~8週間隔で新しいFirefoxのバージョンをリリースしています。Windows、Mac、Linuxなどのデスクトップ向け次期メジャー・アップデート版「Firefox 138」は現地時間2025年4月29日(火)のリリース予定となっています。