Mozillaは2025年5月28日(現地時間5月27日)、Windows、Mac、Linuxなどデスクトップ向けのWebブラウザFirefoxの定期的なメジャーアップデートとなる「Firefox 139.0」を正式リリースしました。

今回リリースされたMozillaのWebブラウザ最新バージョン「Firefox 139.0」では、以下の新しい機能や修正が行われています。
Firefox 139.0デスクトップ版リリースノート
新機能
- リクエストが多かった、Firefox の 拡張ページ (アドオンマネージャー about:addons ではなく
moz-extension://
URL スキームから始まるアドオンによって用意されたページ) のページ翻訳が可能となった。 - 新しいタブのカスタム壁紙、色の設定が利用可能となった。自分の好きな画像を壁紙としてアップロードしたり、好きな色を選択可能となる。この機能はローリング展開の対象であるが、Firefox Labs からすぐに有効にすることもできる。新しい壁紙や宇宙カテゴリーも追加されている。
- リンクプレビュー が実験的機能として利用できるようになった (Firefox Labs から有効にする必要あり)。リンクにマウスをホバーした状態で Alt+Shift を押すことでプレビューを閲覧できる。
修正
- 透過度が指定された PNG 画像を Firefox に貼り付けたときに透過度が保持されるようになった。
- HTTP/3 のアップロードパフォーマンスが大幅に向上、特に resumed connections (QUIC 0-RTT) 、高帯域幅、高遅延環境において顕著に向上。
変更
- Windows 版 Google Chrome における最近の変更のため、Firefox の設定移行ウィザードで Chrome および Chromium ベースのブラウザーからのパスワードの直接インポートができなくなった。回避策として、Chrome から CSV 形式でパスワードをエクスポートし、それを Firefox の設定移行ウィザードあるいはパスワードマネージャーからインポートすることができる。
- レビューチェッカー (Amazon などオンラインショッピングのユーザーレビューの真偽をチェックする機能) が 2025 年 6 月 10 日以降は利用できなくなる。
Enterprise
- エンタープライズ用途向けの詳細は Firefox for Enterprise 139 リリースノート を参照されたい。
Developer
- Mozilla Connect および Stack Overflow におけるユーザーリクエストに基づき、開発ツールのツールボックスのセクションを跨いでフィルター設定が保持されるようになった。
- デバッガーのルートディレクトリが特定のドメインにスコープされるようになった。これにより、典型的な利用法に合致し、関係ないドメインにてきようされることを防げるようになった。 (詳細)
- デバッガー上でポーズしている行の表示を改善。特に高コントラストモードにおける視認性を向上。
Web Platform
- Temporal proposal による Date の改善を 既定で有効化。
- ワーカーにおけるタイムスロットルをサポート。
- 閉じた
<details>
要素を検索可能になり、ページ内検索では自動的に展開されるようになった。 hidden=until-found
アトリビュートをサポート。ページ内検索で見つけるまでは既定で非表示となる。window.getSelection().toString()
がテキストコントロール内で選択されたテキストに対してもシリアル化されたテキストを正しく返すようになった。ウェブブラウザー間における相互運用性を向上。- WebAuthn の largeBlob extension をサポート。
HTMLDialogElement
におけるrequestClose()
をサポート。contenteditable
およびdesignMode
のビルトインエディターが折りたたみ可能なホワイトスペースをブロック境界やホワイトスペースによるシークエンスよりも前に扱うようになった。これによりパディングとして<br>
要素をブロック境界の前に置かれたホワイトスペースの後に挿入しなくなり、他のウェブブラウザーと同様の挙動となる。
セキュリティ修正
今回のアップデートでのセキュリティ修正は合計10個で、重要度別の区分では重要度区分「最高(critical)」1件、「中(moderate)」6件、そして最も低レベルの「低(low)」3件の修正が行われています。
重要度「最高」のセキュリティ修正情報
- MFSA-TMP-2025-0001: Double-free in libvpx encoder
重要度「中」のセキュリティ修正情報
- CVE-2025-5263: Error handling for script execution was incorrectly isolated from web content
- CVE-2025-5264: Potential local code execution in “Copy as cURL” command
- CVE-2025-5265: Potential local code execution in “Copy as cURL” command
- CVE-2025-5266: Script element events leaked cross-origin resource status
- CVE-2025-5268: Memory safety bugs fixed in Firefox 139, Thunderbird 139, Firefox ESR 128.11, and Thunderbird 128.11
- CVE-2025-5272: Memory safety bugs fixed in Firefox 139 and Thunderbird 139
重要度「低」のセキュリティ修正情報
- CVE-2025-5270: SNI was sometimes unencrypted
- CVE-2025-5271: Devtools’ preview ignored CSP headers
- CVE-2025-5267: Clickjacking vulnerability could have led to leaking saved payment card details
既知の問題
未解決
- NVIDIA の GPU およびリフレッシュレートが異なる複数のモニターを利用している環境においてグラフィック表示がおかしくなることがある。
gfx.webrender.dcomp-win.enabled
をfalse
に設定、再起動することで一時的に回避できる。バージョン 139.0.1 で修正予定。
Firefox 139.0 についての一般的な情報は リリースノート を、開発者向けの情報は MDN および Mozilla Developer YouTube チャネル を参照してください。
注意事項
▶︎Security Vulnerabilities fixed in Firefox 139 — Mozilla
「Firefox 139.0」は、Windows, Mac そして Linux向けがリリースされており、すでにFirefoxがインストールされている場合にはメニュー「Firefoxについて」から、あるいはMozillaWebサイトよりダウンロードいつでもアップデートすることができます。Firefox 139.0 の利用に必要なシステム要件については、Firefox 139.0 システム要件 を参照してください。また、延長サポート版である Firefox ESR もバージョン 128.11.0 および 115.24.0 にアップデートされています。
Mozillaは、6~8週間隔で新しいFirefoxのバージョンをリリースしています。Windows、Mac、Linuxなどのデスクトップ向け次期メジャー・アップデート版「Firefox 140」は現地時間2025年6月24日(火)のリリース予定となっています。
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