Mozillaは2025年7月23日(現地時間7月22日)、Windows、Mac、Linuxなどデスクトップ向けのWebブラウザFirefoxの定期的なメジャーアップデートとなる「Firefox 141.0」を正式リリースしました。

今回リリースされたMozillaのWebブラウザ最新バージョン「Firefox 141.0」では、以下の新しい機能や修正が行われています。
Firefox 141.0デスクトップ版リリースノート
新機能
- (段階的な展開) タブを自動的にグループ化できるようになった。ローカル AI モデルにより、類似するタブを検出、自動的にグループ化、グループ名のサジェストまで可能となる。これらはすべてデバイス上で動作するためプライバシーも守られる (詳細)。
- 垂直タブ: サイドバー株のツールエリアのサイズを変更できるようになった。区切り線をドラッグすることでサイズを変更し、ツールアイコンをオーバーフローメニューに収納できる。
- Linux: メモリー使用量を低減。パッケージマネージャーによるアップデート後の強制的な再起動が不要となった。
- ブラジル、スペイン、日本のユーザー向けに 住所の自動補完 が利用可能となった。
- アドレスバーを単位変換器として利用できるようになった。長さ、温度、質量、力、角度の単位の変換だけでなく、タイムゾーンの変換も可能である (例: “now in GMT” , “10am EDT to CET”)。変換結果を選択してクリップボードにコピーすることもできる。 (詳細)
- バレンシア語版のスペルチェッカーの辞書としてカタルーニャ語 (バレンシア語はカタルーニャ語の主要な方言の一つ) の辞書がビルトインされた。
- 以下の言語の翻訳が利用可能となった:
- アルバニア語
- グジャラート語
- ヘブライ語
- ヒンディー語
- カンナダ語
- マレー語
- マラヤーラム語
- ペルシア語
- テルグ語
変更
- Windows: Windows 11 のシステムから提供されるフォントアイコンをキャプションボタンに使用するようになり、Windows 11 の慣例により沿ったものとなる。
Enterprise
- エンタープライズ用途向けの詳細は Firefox for Enterprise 141 リリースノート を参照されたい。
Developer
Clear-Site-Data: "cache"レスポンスヘッダーを受信したときに back-forward-cache もクリアされるようになった。
Web Platform
- Windows: WebGPU API (規格書; MDN) を有効化。詳細は Mozilla Graphics Team Blog を参照されたい。
- Implemented the
closedbyアトリビュートおよび関連するclosedByプロパティ を実装。関連付けられた<dialog>要素 を閉じることができるようになる。 - Cookies Having Independent Partitioned State (CHIPS) を再度サポート。開発者が、トップレベルのサイトごとに個別のストレージに Cookie を保存することを可能にする。
HTMLElement.showPopover()およびHTMLElement.togglePopover()メソッドが popover invoker を参照するoptions.sourceアーギュメントを取得できるようになった。また、togglePopover()がforceresp.options.forceアーギュメントを取得できるようになった。
セキュリティ修正
今回のアップデートでのセキュリティ修正は合計18個で、重要度別の区分では重要度区分「高(high)」6件、「中(moderate)」9件、そして最も低レベルの「低(low)」3件の修正が行われています。
重要度「高」のセキュリティ修正情報
- CVE-2025-8027: JavaScript engine only wrote partial return value to stack
- CVE-2025-8028: Large branch table could lead to truncated instruction
- CVE-2025-8044: Memory safety bugs fixed in Firefox 141 and Thunderbird 141
- CVE-2025-8034: Memory safety bugs fixed in Firefox ESR 115.26, Firefox ESR 128.13, Thunderbird ESR 128.13, Firefox ESR 140.1, Thunderbird ESR 140.1, Firefox 141 and Thunderbird 141
- CVE-2025-8040: Memory safety bugs fixed in Firefox ESR 140.1, Thunderbird ESR 140.1, Firefox 141 and Thunderbird 141
- CVE-2025-8035: Memory safety bugs fixed in Firefox ESR 128.13, Thunderbird ESR 128.13, Firefox ESR 140.1, Thunderbird ESR 140.1, Firefox 141 and Thunderbird 141
重要度「中」のセキュリティ修正情報
- CVE-2025-8041: Incorrect URL truncation in Firefox for Android
- CVE-2025-8042: Sandboxed iframe could start downloads
- CVE-2025-8029: javascript: URLs executed on object and embed tags
- CVE-2025-8036: DNS rebinding circumvents CORS
- CVE-2025-8037: Nameless cookies shadow secure cookies
- CVE-2025-8030: Potential user-assisted code execution in “Copy as cURL” command
- CVE-2025-8043: Incorrect URL truncation
- CVE-2025-8031: Incorrect URL stripping in CSP reports
- CVE-2025-8032: XSLT documents could bypass CSP
重要度「低」のセキュリティ修正情報
- CVE-2025-8038: CSP frame-src was not correctly enforced for paths
- CVE-2025-8039: Search terms persisted in URL bar
- CVE-2025-8033: Incorrect JavaScript state machine for generators
既知の問題
未解決
- 特定のダークテーマで、サイドバーのテキストのコントラストに問題が発生することがある。ビルトインのダークテーマあるいはシステムテーマによって回避できる
この問題は Bug 1971487 として報告されており、今後のリリースで修正される予定である。
Firefox 141.0 についての一般的な情報は リリースノート を、開発者向けの情報は MDN および Mozilla Developer YouTube チャネル を参照されたい。
注意事項
▶︎Security Vulnerabilities fixed in Firefox 141 — Mozilla
「Firefox 141.0」は、Windows, Mac そして Linux向けがリリースされており、すでにFirefoxがインストールされている場合にはメニュー「Firefoxについて」から、あるいはMozillaWebサイトよりダウンロードいつでもアップデートすることができます。Firefox 141.0 の利用に必要なシステム要件については、Firefox 141.0 システム要件 を参照してください。また、延長サポート版である Firefox ESR もバージョン 140.1.0、128.13.0 および 115.26.0 がリリースされています。
Mozillaは、6~8週間隔で新しいFirefoxのバージョンをリリースしています。Windows、Mac、Linuxなどのデスクトップ向け次期メジャー・アップデート版「Firefox 142」は現地時間2025年8月19日(火)のリリース予定となっています。






