前回の話をまとめると、「IDはいろんな言い方をされています」「ログイン・ユーザー・アカウント・IDの中でグルグル回ってます」ということなのだが、もう少し見通しが良くならないものか。
1位「ユーザー名」、2位「ログインID」
それで、まず、それぞれの言葉がどれくらい使われているか、googoleで調べてみた(キーワードをダブルクォーテーション(””)で囲んだ完全一致検索)。
ユーザー名 3,830,000件
ログインID 827,000件
ユーザーID 645,000件
ユーザーアカウント 497,000件
ログインアカウント 443,000件
ID名? 368,000件
アカウント名 367,000件
アカウントID 268,000件
ログイン名 196,000件
ユーザーアカウントID 2,320件
「ID名」に?印が付いているのは、スタイルシートの「id属性」の意味で「id名」が使われている場合が多いから。IDという名前という意味での「ID名」はかなり少ないとみていい。それから最も多い「ユーザー名」には、テレビや掃除機を使っている人という意味の「ユーザー名」として使われている場合もあるが、それほど多くない。
というわけで、だいたいの傾向としてみてもらえたらうれしいが、デタラメそうに見える「ログイン・ユーザー・アカウント・ID」をめぐる言葉の使い方にも、傾向があることがわかる。
圧倒的に多いのは「ユーザー名」。次いで「ログインID」「ユーザーID」「ユーザーアカウント」と続くが、「ユーザー名」に収束しそうな勢いであることがわかる。
〇〇IDか、××アカウントか
ところが、これに企業名が絡んでくると、事情は変わる。iPhoneのユーザー名というときは、ほぼ「Apple ID」を指すし、Android端末も「Googleアカウント」が無いと困る。「Apple ID」を持っていれば、様々なサービスが利用できるわけだが、逆に「Apple ID」がなければiPhoneを満足に使えない。Android端末も同じ。ユーザーの囲い込みをしているわけだ。
では、企業名の付いた「ログイン・ユーザー・アカウント・ID」はどうなっているかというと、ID派とアカウント派に分かれている。
その中で、
docomoID → dアカウント
Windows Live ID → Microsoftアカウント
に変更されている。ID→アカウントというシフトが起こっているのだ。
では、アマゾンはどうなっているかというと、どこでも「Amazonアカウント」
と出てくるわけではないが、登録ページのボタンは「Amazonアカウントを作成」、登録者に対するサービスを「アカウントサービス」と言っている。
サービスを利用する権利という意味では「Apple ID」も「Googleアカウント」「Amazonアカウント」も「アカウント」。「Apple ID」に、「利用する個人を識別するための文字列」という意味はほとんどなくなっている。サービスの名称、ブランドとして、○○ID、○○アカウントの2つの流れがあるということなのだ。
面白いのは「LINE ID」で、アカウントでも、ログインIDでもない。LINEの中で、その人しか使っていない”名前”で、友達登録したいが電話番号を伝えたくない人に教えるためだけのID。「Apple ID」と「LINE ID」、文字面は同じだけど、役割はまるで違う。
<おまけ>
細かい話だけど、日本のコンピューターの業界では、「コンピュータ」「サーバ」「ユーザ」というように、外来語の最後の音引を省略することが多かった。
「サーバの表記」(Wikipedia)
「ユーザ』で検索すると、「ユーザID」が「ユーザ名」より多くなる。技術者の間では「ユーザID」が優勢なのかもしれない。
ユーザID 718,000件( 645,000件)
ユーザ名 519,000件(3,830,000件)
ユーザアカウント 141,000件( 497,000件)
ユーザアカウントID 834件( 2,320件)
( )内は「ユーザー*」
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