Mozillaは2025年9月17日(現地時間9月16日)、Windows、Mac、Linuxなどデスクトップ向けのWebブラウザFirefoxの定期的なメジャーアップデートとなる「Firefox 143.0」を正式リリースしました。

今回リリースされたMozillaのWebブラウザ最新バージョン「Firefox 143.0」では、以下の新しい機能や修正が行われています。
Firefox 143.0デスクトップ版リリースノート
新機能
- Microsoft Copilot を サイドバーで利用するチャットボット として選択できるようになった。
- カメラへのアクセスを要求されたとき、許可ダイアログ内でプレビューを確認できるようになった。複数のカメラから適切なカメラを選択できる。
- アドレスバーに重要な日付、予定を表示できるようになった。現時点ではアメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリアの記念日 (母の日など) を表示できる。
- フィンガープリント採取防止機能が強化され、より多くの属性 について固定値を返すようになった。
- プライベートブラウジングモードでのファイルのダウンロード時に、セッション終了時にダウンロードしたファイルを削除するかどうかを確認するようになった。設定からこの機能を変更できる (設定 → 一般 → ファイルとプログラム → プライベートブラウジングモードでダウンロードしたファイルをプライベートウィンドウをすべて閉じた時に削除する)。
- (段階的な展開) Windows: 音声アクセス、テキストカーソルインジケーター、ナレーターなどのアクセシビリティツールである Windows UI オートメーションをサポート。
Enterprise
- エンタープライズ用途向けの詳細は Firefox for Enterprise 143 リリースノート を参照されたい。
Developer
- 類似メッセージをグループ化 のチェックを外すことで、メッセージのグループ化を解除しすべてのメッセージを出力できるようになった。
- デバッガー上でソースを整形したときに新しいタブが開かれないようになった。
Web Platform
- xHE-AAC オーディオ再生をサポート (Windows 11 22H2 以降、macOS、Android 9 以降)。
- グリッドサイズの計算アルゴリズムを CSS グリッド仕様により適合したものに更新。
<input type=color>において CSS<color>フォーマットだけでなく 16 進フォーマット (#ffffff) も認識されるようになった。blackのような色名だけでなくより複雑なrgb(200 200 200)のような入力も受け付ける。これらの入力はすべて 16 進フォーマットへ変換される。- 要素上の display プロパティの指定を妨げていた制限を除去。また、::details-content 擬似要素を展開、折り畳み可能なコンテンツに追加。
セキュリティ修正
今回のアップデートでのセキュリティ修正は合計11個で、重要度別の区分では重要度区分「高(high)」3件、「中(moderate)」5件、そして最も低レベルの「低(low)」3件の修正が行われています。
重要度「高」のセキュリティ修正情報
- CVE-2025-10527: Sandbox escape due to use-after-free in the Graphics: Canvas2D component
- CVE-2025-10528: Sandbox escape due to undefined behavior, invalid pointer in the Graphics: Canvas2D component
- CVE-2025-10537: Memory safety bugs fixed in Firefox ESR 140.3, Thunderbird ESR 140.3, Firefox 143 and Thunderbird 143
重要度「中」のセキュリティ修正情報
- CVE-2025-10529: Same-origin policy bypass in the Layout component
- CVE-2025-10530: Spoofing issue in the WebAuthn component in Firefox for Android
- CVE-2025-10531: Mitigation bypass in the Web Compatibility: Tooling component
- CVE-2025-10532: Incorrect boundary conditions in the JavaScript: GC component
- CVE-2025-10533: Integer overflow in the SVG component
重要度「低」のセキュリティ修正情報
- CVE-2025-10534: Spoofing issue in the Site Permissions component
- CVE-2025-10535: Information disclosure, mitigation bypass in the Privacy component in Firefox for Android
- CVE-2025-10536: Information disclosure in the Networking: Cache component
Firefox 143.0 についての一般的な情報は リリースノート を、開発者向けの情報は MDN および Mozilla Developer YouTube チャネル を参照されたい。
注意事項
▶︎Security Vulnerabilities fixed in Firefox 143 — Mozilla
「Firefox 143.0」は、Windows, Mac そして Linux向けがリリースされており、すでにFirefoxがインストールされている場合にはメニュー「Firefoxについて」から、あるいはMozillaWebサイトよりダウンロードいつでもアップデートすることができます。Firefox 143.0 の利用に必要なシステム要件については、Firefox 143.0 システム要件 を参照してください。また、延長サポート版である Firefox ESR もバージョン 140.3.0 および 115.28.0 がリリースされています。
Mozillaは、6~8週間隔で新しいFirefoxのバージョンをリリースしています。Windows、Mac、Linuxなどのデスクトップ向け次期メジャー・アップデート版「Firefox 144」は現地時間2025年10月14日(火)のリリース予定となっています。






