Mozillaは本日、Windows、Mac、LinuxおよびAndroid向け正式版「Firefox 48」をリリースしました。今回のアップデートは、マルチプロセス化されたFirefoxが一般ユーザーに向けて初めて公開されたエポック的なアップデートです。ダウンロード保護機能の改良やプロセス分離(マルチプロセス化)などの新機能が搭載され、その他にも様々な改良、修正が加えられています。
デスクトップ版「Firefox 48.0」はFirefox.comページからダウンロードできます。また、既存のすべてのユーザーは自動的にアップグレードすることが出来ます。Android版については、Google Playの「Firefox ブラウザ 」ページよりダウンロードすることが出来ます。
デスクトップ版Firefoxの変更点
今回のアップデートでは、ダウンロード保護機能が改良され、不要な危険ソフトウェアや、望ましくないソフトウェアに対して警告が表示されるようになりました。また、OS X 10.6, 10.7, 10.8 のサポートが終了します。
新機能
- ダウンロード保護機能が改良され、不要な危険ソフトウェアや、望ましくないソフトウェアに対して警告が表示されるようになりました。詳しくはこちらをご覧ください。
- プロセス分離 (e10) が行われました。なおこの機能は一部のユーザにのみ提供されます。フィードバックを得つつ、利用可能ユーザを順次拡大してゆきます。
- Mozilla によって検証・署名されていないアドオンはロードされなくなります
- GNU/Linux:Skia への対応により Canvas の描画性能が向上しました。最大で 3 倍程度高速になります
- WebRTC にいくつか改良がおこなわれました
- Delay-agnostic AEC が有効になりました
- GNU/Linux と Mac OS X での全二重通信をサポートしました
- ICE のリスタートと更新が利用できるようになりました
- MediaStream と MediaStreamTrack の複製できるようになりました
- URL バーで検索した場合、ブックマークされているページや、すでに開いているページはアイコン表示されるようになりました
- Windows:Tab(ボタンの移動)と Shift+F10(メニューの表示)を、カスタマイズ画面で Tab と Shift + F10 が利用できるようになりました
- Rust で書き直されたメディアパーサが組み込まれました
修正
- Jabra ヘッドセットと Logitech C920 Web カメラで発生する音声に関する不具合を修正しました。これにより WebRTC 利用時などに発生していた音声の歪みがなくなりました
- デバッガでのステップ実行時における、関数の最終行の取り扱いが修正されました
変更
- Windows:このバージョン以降で SSE2 拡張命令セットが必須となります
- OS X 10.6, 10.7, 10.8 のサポートを終了します。今後は 10.9 の開発に注力します。10.8 以下をお使いの方は、OS の更新をお勧めします
- Windows Remote Access Service modem Autodial を利用しなくなりました
開発者
- WebExtensions の実装が安定版になりました
- position が absolute もしくは fixed に設定されている要素の位置を編集するための機能が追加されました
- メモリツールにツリーマップ表示機能が追加されました
- WebExtensions のバックグラウンドコンテンツで動作するスクリプトや、バックグラウンドページをデバッグできるようになりました
- Web Extnsions に対して Contetn Security Policy (CSP) が強制されるようになりました
- エラーコンソールが廃止されました。これからはブラウザコンソールをお使いください
- about:debugging でアドオンを再読み込みできるようになりました。この機能を利用すると、アドオン開発がより効率的に行えます
- 開発ツールに Firebug テーマが追加されました
- コンソールパネルで通信の詳細を見られるようになりました
- Web Crypt API を Worker から利用できるようになりました
未解決
- 特別な番号をクッキーに保存している Web サイトを使用する場合、特定の条件下でユーザーがログアウト状態になってしまうことがあります (Bug 1264192)
Android版Firefoxの変更点
Android版については、新規ユーザは履歴パネルからもSyncの設定ができるようになり、よく利用するサイトを「ホームスクリーンに追加」することをサジェストするようになりました。また、モバイルで閲覧した履歴を、同期されたデスクトップの閲覧履歴より優先して表示するようにするなど細かな修正も行われています。
新機能
- 新規ユーザは、履歴パネルからも Sync の設定ができるようになりました
- よく利用するサイトを「ホームスクリーンに追加」することをサジェストするようになりました
- 設定画面で通知を管理できるようになりました
- フランス、イギリス、ドイツでは Qwant を検索エンジンに追加しました
- Amazon での商品検索結果がアドレスバーに表示されるようになりました
- メディアに関する改善が行われました
- Android の MediaRecorder をソフトウェアコーデック経由でサポートしました
- メディアの音声コンテンツが Android Audio Service で管理されるようになりました
- Firefox を標準のブラウザに簡単に設定できるようになりました
- Android M 以降で利用できるテキスト選択方式に対応しました
変更
- モバイルで閲覧した履歴を、同期されたデスクトップの閲覧履歴より優先して表示するようになりました
- ホーム画面に以下の変更が行われました
- リーディングリストをブックマークパネルへ移動しました
- 同期タブを履歴パネルへ移動しました
- 「常にタブを復元する」が標準の設定となりました。これは詳細メニューから変更できます
- Android 2.3 (Gingerbread) をサポートしなくなりました
- 動画再生用の UI が刷新されました
開発者
- Push API を利用した非同期の通知が可能になりました
- WebExtensions の実装が安定版になりました
Mozillaは、6〜8週間隔で新しいFirefoxのバージョンをリリースしています。次のバージョン「Firefox 49」は2016年9月13日(火)の予定です。