Mozillaは2017年8月8日、Windows、Mac、Linuxなどデスクトップ向けのメジャーアップデートとなる正式版「Firefox 55.0」をリリースしました。
今回のアップデートでは、新機能「WebVR」への対応が含まれ、これによりFirefoxはVR体験に対応する初のWindows版デスクトップブラウザとなりました。これにともない、ページの読み込みを高速化してタブ切り替えの応答性を高められる同時使用コンテンツプロセス数の変更設定など、パフォーマンスを高めるための機能改善が行われています。
また、2GB以上のRAMを搭載した64 ビットシステム上では、64ビット版Firefoxを標準でインストールするWindows版スタブインストーラーにより、インストール手順を簡素化しています。
Firefox 55.0 デスクトップ版の新しい機能
新機能
- ウェブへ没入型体験をもたらす WebVR への対応を Windows 版へ追加しました。Mozilla VR でサンプルを見て、実際に動くデモを試してみてください。
- ユーザーが最近のパフォーマンス改善を最適化できるオプションを追加しました。
- Windows 10 Anniversary Edition 上で、動画再生時にバッテリー寿命を伸ばし CPU 使用率を下げられるよう、ハードウェア VP9 アクセラレーションを有効化する設定
- ページの読み込みを高速化し、タブ切り替えの応答性を高められる、同時使用コンテンツプロセス数を変更する設定
- 合理化された Windows 版スタブインストーラーにより、インストール手順を簡素化しました。
- 2 GB 以上の RAM を搭載した 64 ビットシステム上では、64 ビット版 Firefox を標準でインストール
- 高度なインストールオプションを備えた フルインストーラー も引き続き使用可能
- ロケーションバー機能を改善しました。
- インストールされているワンクリック検索エンジンを使って、ロケーションバーから直接検索
- 検索候補の表示 (初期設定で有効)
- ホスト名 (例えば pinterest.com) 入力時に、可能な場合は安全でないバージョン (http://www.pinterest.com) の代わりに安全なバージョン (https://www.pinterest.com) のサイトを解決
- サイドバー (ブックマーク、履歴、同期したタブ) をウィンドウの左端から右端へ移動できるようにしました。
- WebRTC のステレオマイク対応を追加しました。
- リーダーモードからの印刷を簡素化しました。
- OS X および macOS 上で、システム環境設定を通じて Firefox のメニュー項目に 任意のキーボードショートカット を割り当てられるようにしました。
- ブラウジングセッションにタブが多数含まれていた場合にも、瞬時に復元されるよう、処理を見直しました。
- ウェブページの スクリーンショット を撮って、ローカルに保存するかクラウドへアップロードできるようにしました。この機能はまだ A/B テスト中のため、すべてのユーザーには表示されません。
- ベラルーシ語 (be) ロケールを追加しました。
変更点
- アプリケーションの更新 UI を刷新し、あまり邪魔にならないようにするとともに、ブラウザーの他の UI との一貫性を見直しました。更新をダウンロードしてから 8 日間ブラウザーを再起動していないユーザーや、自動更新を無効化しているユーザーのみ、この変更を目にすることとなります。
- 過去のバージョンでは可能な場合もあったダウングレードへの対応を廃止しました。Firefox 55 以上をインストールし、以前のバージョンへダウングレードした場合、不具合が生じる可能性があります。
- Adobe Flash プラグインは初期設定でクリックによる有効化が必要となりました。また、http:// や https:// URL スキーマ以外からの読み込みを禁止しました。この変更は順次展開されるため、すべてのユーザーへすぐには反映されません。詳しくは Firefox のプラグインロードマップ を参照してください。
開発者
- 安全でないサイトは Geolocation API を使用してユーザーの物理的な位置情報を取得できなくなりました。
なお、開発者に影響するFirefox 55の変更点については、こちらを参照ください。
Mozillaは、6〜8週間隔で新しいFirefoxのバージョンをリリースしています。Windows、Mac、Linuxなどのデスクトップ向け次期メジャー・アップデート版「Firefox 56」は2017年9月26日(火)のリリース予定となっています。