LINEは、2018年11月15日に同社のコミュニケーションアプリLINEの最新バージョン「LINE 8.17.0」をリリースしました(Android先行リリース)。この最新版「LINE 8.17.0」アップデートに際して、「サービス向上のための情報利用に関するお願い」なるものへの同意を求める案内が表示されるようになっています。
以前2018年1月15日にアップデートしたLINEでは、ユーザー情報の取扱いの明確化、不正利用の防止、サービスのさらなる改善および開発などを目的とする3年ぶりとなる重要なプライバシーポリシーの変更がおこなわれました。その際のドタバタは、記憶に新しいところです。
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その際には、プライバシー情報の利用について、「プライバシーの侵害だ!」「同意しないでLINEを利用する方法はないの?」などと騒ぎになりました。今回の「サービス向上のための情報利用に関するお願い」はどうなっているのでしょう。
今回の「情報利用に関するお願い」に対するユーザーの反応は?
今年2018年1月の「サービス向上のための情報利用に関するお願い」では、「プライバシーポリシー変更」と個人情報を「サービスの向上のための情報利用」するとなっているだけでなく、どこにも「同意しなくても、引き続きLINEアプリの利用ができる」といったメッセージがありませんでした。このため、多くのユーザーが「プライバシーポリシー」「サービス向上のための情報利用」ともに「同意する」以外に選択肢はないと勘違いしてしまいました。
今回はこの点について、「取得する情報とその取り扱いについて」の項目を設けて、赤字で「本項目に同意しなくとも、LINEアプリは引き続きご利用可能です。」と明記しました。前回の経験が生かされたカタチでしょうか。
ただ、ユーザーの声を拾ってみると、やはり「プライバシーの侵害」や「同意して大丈夫?」「同意しない選択肢はないの?」などの声が聞こえてきます。また、アプリ起動時に「同意」してしまったものの、この「同意をオフにしたい」といったユーザーも多いようです。
LINEをアップデートしたらLINE Beaconとかいうのに同意しろって出てきた。LINEに現在地を特定されるのは気持ち悪いので同意しなかった。
— つべハチ (@Kachihayahi) 2018年11月16日
えーLINE開いたら…
同意しないとどうなるのーむむむ pic.twitter.com/cgNRGCHYii— мёgu🍯みつ😽🎥 (@kismyft2aka917) 2018年11月15日
なんかLINE開いたらこんなの出てきたけど同意していいの?!ヾ(・ω・`;)ノ pic.twitter.com/EDOXgtt6Mh
— Rina🌈 (@sakusaku0358) 2018年11月15日
Line のこれ 「同意しない方は、クリックを外して下さい」が、よーく見ないとわからない
普通は「同意」か「同意しない」の二択ですよね
なんか、信用できないなあ pic.twitter.com/1ITUYrGruw— Cinema Dict (Middle Age) (@uHB3PwFkczWrYvg) 2018年11月16日
LINE更新したら出たんやけどー
同意しなら位置情報ONなるの??
どーすりゃいいの?? pic.twitter.com/qG7dOyKUVF— уαsυ (@mm_ys12) 2018年11月15日
「…情報利用に関するお願い」の内容とは?
最適な情報・サービスを提供するために位置情報などの活用を推進します
あなたの安全を守るための情報や、生活に役立つ情報を、位置情報(端末の位置情報やLINE Beaconなどの情報)に基づいて提供するための取り組みを推進します。同意していただくことで、例えば、大規模災害時の緊急速報等の重要なお知らせや、今いるエリアの天候の変化、近くのお店で使えるクーポンなどをお届けできるようにしていきたいと考えております。
今回の「サービス向上のための情報利用に関するお願い」では、「安全を守るための情報」を第一義に挙げ、「大規模災害時の緊急速報」を前面に打ち出しています。確かに、そこのところに嘘はないかもしれませんが、本来の目的は位置情報を元にした近くのお店のクーポンや広告配信が主な目的であるのは言うまでもありません。
つまり広告をタイムリーにユーザーに届けるサービスを展開したいということが主たる目的と言えます。そうした情報が欲しい場合には、もちろん「同意」してしかるべきかと思います。ただ、こうした情報に飽き飽きしているのであれば「同意しない」選択肢も十分考えられます。
そもそも、「大規模災害時の緊急速報」などはJアラートなども用意されており、それぞれのキャリアでも対応しています。LINE ではこれに関して以下のようにコメントしています。
<大規模災害や天候の変化に関するお知らせの配信>
「避難情報」「国民保護情報」(Jアラート/Lアラートを通じて国や自治体から発信される緊急情報)をLINEアプリで受け取ることができるサービスでの利用を予定しております。
ただ、こうしたお題目を前面に出しているところに「利益主義」が垣間見えるようにも思われます。ともあれ、広告であろうと、アチムリーに受けることはすばらしいと思える場合には、画面下にある「同意」項目にチェックを入れて[OK]ボタンをクリックしましょう。
「同意」項目について
LINEが同意を求めている内容は以下の2項目です。
- 上記の位置情報の利用に同意する(任意)
- LINE Beaconの利用に同意する(任意)
位置情報とは?
1項目めの「位置情報」については、iPhoneなどのデバイス自体が取得するGPSをはじめ、Bluetooth、クラウドソースのWi-Fiスポットや携帯電話基地局を使って取得されるユーザーのおおよその位置情報を利用するということでしょう。
LINE Beaconとは?
2項目めの「LINE Beacon」については、お店などに設置されたbeaconからデータを受信し、商品やクーポン情報をユーザーに届けてくれるLINEのサービスです。
そもそも、beaconは近距離通信規格であるBluetoothを発信機として周辺機器にワイヤレスで情報を伝達してくれるというもの。ユーザーがお店などに設置したbeaconに近づくと、iPhoneなどのスマートフォンに商品やクーポンの情報を届けてくれます。
この「LINE Beacon」機能は、最新バージョンのLINE以前からLINEアプリに搭載されている機能で、デフォルトでは機能“オフ”に設定されています。上記の項目に同意した場合には、自動的に“オン”に設定されるということのようです。
設定の変更や情報の削除はどうするの?
今回の情報利用について「同意」してしまったものの、後で考えたらやっぱり「同意を取り消したい」と言うこともあるでしょう。
その場合には、LINEへの「位置情報の停止」や「LINE Beacon機能の利用停止」を、LINEアプリの設定画面から行うことがいつでもできます。
LINEへの位置情報の提供、LINE Beacon機能の利用を停止する方法
- まずは、iPhoneなどで使用しているLINEアプリを立ち上げて歯車マークの[設定]アイコンをタップします。
- 次に、開いたページの[プライバシー管理]をタップし、[情報の提供]ページを開きます。
- すると、情報の提供を行っている[位置情報の取得を許可]および[LINE Beacon]のトグルボタンが緑色「オン」に設定されているので、これを白地「オフ」に設定します。
なお、「情報の提供」画面の一番にある[情報の削除]項目をタップして開いたページでは、取得された情報の削除を行うこともできます。
Source:LINE