Mozillaは2018年12月11日(現地時間12月10日)、Windows、Mac、Linuxなどデスクトップ向けのWebブラウザFirefoxの定期的なメジャーアップデートとなる「Firefox 64.0」を正式リリースしました。
Webブラウザ「Firefox 64.0」は、2018年最後のメジャーリリースとなります。ここでは、Windows 10上のネイティブな共有ダイアログをサポートし、Windowsユーザーはネイティブの共有機能を使用してWebページを共有することができるようになりました。
そのほかにも、タブバーから複数のタブを選択し、それらを閉じる、移動する、ブックマークする、またはピンをすばやく簡単にピンすることができるようにタブ管理機能が強化されたのをはじめ、開いている各タブが消費するエネルギー量を把握してタブを閉じることで電力を節約できるパフォーマンス管理機能やツールバーボタンのコンテキストメニューを使用してアドオンを削除するオプション機能などいくつかの新しい機能が追加されています。
Firefox 64.0デスクトップ版リリースノート
新機能
- より良いお勧め: 通常のブラウジングモードにおいて、ウェブの利用状況に応じて Firefox の新しい関連ある機能・サービス・拡張機能がおすすめされるようになった (米国ユーザーのみ)。
- タブ管理の強化: 複数のタブを選択し、閉じる・移動・ブックマーク・ピン留めを同時に行うことができるようになった。
- パフォーマンス管理: about:performance に実装された新しいタスクマネージャーにより、タブごとの消費電力の多寡を把握し、タブを閉じることができるようになった。
- リンクタイムの最適化により、macOS 版および Linux 版でのパフォーマンスが向上 (Clang LTO; Windows 版ではバージョン 63 で有効となっている)。
- Windows 上でのよりシームレスなシェアリング: Windows ユーザーは、ネイティブのシェアリング体験を利用してウェブページの共有を行うことができるようになった。アクションメニューからアクセス可能である。
- ツールバーボタンのコンテキストメニューから、アドオンの削除が可能となった。
- エンタープライズ用途向け: macOS でのポリシーエンジンのアップデートにより、エンタープライズ用途 向けの Firefox のカスタマイズのためのプロファイルの設定が可能となった。
修正
- Various security fixes
変更
- RSS フィードプレビューおよび ライブブックマーク は アドオン によってのみ利用可能となった。
- Symantec から発行された TLS 証明書は Firefox で信頼できないものとして扱われる。ウェブサイトの運営者は Symantec による TLS 証明書をできるだけ早く他の証明書に入れ替える ことが強く推奨されている。
- about:crashes が再デザインされ、クラッシュログがいつ Mozilla に送信されたのか明確にされた。また、クラッシュログの削除がローカルからの削除であり crash-stats.mozilla.com からの削除ではないことも明確にされた。
- macOS: “www” および “.com” を URL に追加するためのキーボードショートカットが、[apple]-Enter から Ctrl-Enter に変更された。
開発者
- CSS Grid Inspector において、複数の CSS グリッドをオーバーレイできるようになった (最大 3 つ)。
- ウェブコンソールのコマンドラインが JavScript 式にハイライト表示されるようになった。
- アクセシビリティパネル内の要素にマウスカーソルがあるとき、テキストと背景のコントラスト比が表示されるようになった。
- CSS scrollbar specification のサポートを追加。
- macOS: WebVR が利用可能になった
セキュリティ修正
今回のアップデートでのセキュリティ問題についての修正は合計11件で、重要度区分「最高(critical)」2件、「高(high)」5件、「中(moderate)」3件、そして「低(low)」1件の修正が行われています。
- [high]CVE-2018-12407:Buffer overflow with ANGLE library when using VertexBuffer11 module
- [high]CVE-2018-17466:Buffer overflow and out-of-bounds read in ANGLE library with TextureStorage11
- [high]CVE-2018-18492:Use-after-free with select element
- [high]CVE-2018-18493:Buffer overflow in accelerated 2D canvas with Skia
- [high]CVE-2018-18494:Same-origin policy violation using location attribute and performance.getEntries to steal cross-origin URLs
- [moderate]CVE-2018-18495:WebExtension content scripts can be loaded in about: pages
- [moderate]CVE-2018-18496:Embedded feed preview page can be abused for clickjacking
- [moderate]CVE-2018-18497:WebExtensions can load arbitrary URLs through pipe separators
- [low]CVE-2018-18498:Integer overflow when calculating buffer sizes for images
- [critical]CVE-2018-12406:Memory safety bugs fixed in Firefox 64
- [critical]CVE-2018-12405:Memory safety bugs fixed in Firefox 64 and Firefox ESR 60.4
「Firefox 64.0」は、Windows, Mac そして Linux向けがリリースされており、すでにFirefoxがインストールされている場合にはメニュー「Firefoxについて」から、あるいはMozillaWebサイトよりダウンロードいつでもアップデートすることができます。
なお、Firefox Stableはバージョン64.0、Firefox Betaはバージョン65.0、Firefox Nightlyはバージョン66.0、Firefox ESRはバージョン60.4にアップデートされています。
Mozillaは、6〜8週間隔で新しいFirefoxのバージョンをリリースしています。Windows、Mac、Linuxなどのデスクトップ向け次期メジャー・アップデート版「Firefox 65」は現地時間2019年1月29日(火)のリリース予定となっています。