Mozillaは本日1月25日、Windows、Mac、Linuxなどデスクトップ向けのメジャーアップデートとなる正式版「Firefox 51.0」をリリースしました。また、同時にAndroid版もリリースしています。
「Firefox 51.0」デスクトップ向け正式版は、昨年11月16日にリリースしたFirefox 50から2ヶ月あまり、通常6〜8週程度の周期でのリリースが通常ですが、10週を経てのリリースとなっています。
今回のアップデートでは数多くの新しい機能が追加されています。URLバーにズームボタンおよびFLAC(Free Lossless Audio Codec)再生サポート機能が追加され、GPUアクセラレーションを使用しないユーザーのビデオパフォーマンスを改善、「送信」イベントを持たないフォームでもパスワードを保存できるなど、11項目に及ぶ新機能が追加されて、ユーザーエクスペリエンスの向上が図られています。
なお、セキュリティに関わる修正は、ユーザーの操作を必要とせずに攻撃者のコードを脆弱性を利用して実行し、ソフトウェアをインストールすることができる最も緊急性の高い「CRITICAL」レベルのものが4件、次に高い「HIGH」レベルのものが6件、そして「MODERAT」レベルのものが3件となっています。
「CRITICAL」レベルのセキュリティ脆弱性として、SkiaGLのバッファをオーバーフローさせてクラッシュを引き起こすものや、DOMイベントとオーディオ要素を自由に操作できてしまうもの、Firefox 50.1で修正されたメモリの安全性に関するバグを悪用して任意のコードを実行してメモリを破損させるなどの項目が含まれます。
Firefox 51.0 デスクトップ版の更新内容
新機能
- パスワード保存のダイアログ上で保存前のパスワードを確認できるようになりました
- URL バーにズームボタンが追加されました:
- 標準設定から拡大 / 縮小を行なった場合、その倍率が表示されます
- ズームボタンをクリックすることで、標準の倍率に戻られます
- GPU が搭載されていない環境での動画再生性能が向上しました。動画再生時の CPU 使用率が下がり、フルスクリーン再生時の体験が向上します
- “submit” イベントが発生しない場面でも、パスワードを保存できるようになりました
- FLAC (Free Lossless Audio Codec) の再生に対応しました
- WebGL 2 に対応しました。その結果、transform feedback に代表される高度なグラフィック描画機能が利用できるようになりました。またテクスチャ機能の改善や、新しいシェーダー言語への対応も行いました
- 安全でない接続で配信されたログインページに対して警告が表示されるようになりました
- ジョージア語 [ka] とカビル語 [kab] に対応しました
- E10s が高速になり、タブの切り替えが素早くなりました
- ブラウザーのデータ同期の信頼性が向上しました
- ベラルーシ語 [be] がロケールから削除されました
修正
- いくつかのセキュリティ問題 を修正しました。
変更
- Linux でのコンテンツ描画に 2D グラフィックライブラリ (Skia) を利用するようになりました
- ロシア語 [ru] での E10s サポートを再度有効にしました
- NSS を 3.28.1 に更新しました
Mozillaは、6〜8週間隔で新しいFirefoxのバージョンをリリースしています。次期バージョン「Firefox 52」は来年2017年3月7日(火)の予定となっています。