幕張からチバニアンまで自転車で行ってきました。家から片道50km、獲得標高はルートラボで339m。2カ月くらい前、清澄養老ラインで養老渓谷駅まであと5kmという所で見かけたのが「チバニアン」の看板。
千葉の地名が、ジュラ紀や白亜紀と同じような地質学上の時代区分になるという話は聞いていたけど、千葉のどこにあるか場所までは知りませんでした。その時は初めて養老渓谷まで行った時で、知らない道を暗くなって帰るのも嫌だったので、そのうち行こうと思っていたのでした。
チバニアンってなんだ?
千葉県市原市田渕の養老川沿いにある「地磁気逆転地層」。
方位磁石はN極が北を指しますが、それは77万年前からのことで、地球のN極とS極はたびたび入れ替わっていたらしいのです。過去360万年でも10数回逆転していて、最後に逆転したのが77万年前。それを確認できる地層がチバニアンです。
77万年前の地磁気逆転前後の地層を連続して確認できるのは、世界中でイタリア半島南部と千葉の養老川沿いのここしかないらしいのですが、千葉のほうが地層の堆積スピードが速く、層の幅が厚くてわかりやすい。それで77万~12万6000年前の地質時代を国際学会で「チバニアン」と呼ぶようになった・・・、と思っていたのですが、4段階ある審査の2段階目を通過した段階で、正式決定は来春らしいのです。
チバニアンの行き方
清澄養老ラインを南下して養老渓谷駅の5kmくらい手前まで行くと、左に「チバンイアン」、右に「田渕会館」の看板があります。チバニアンは右の「田渕会館」の看板がある坂を登ります。
坂を登ると、すぐ、田渕会館のY字路があります。ここから左に(左です)500mくらい歩いて行くと、養老川の地磁気逆転層が見られる場所に降りられます。
でも、田渕会館の角の看板は「→Pチバニアン」。右へ行くと駐車場と簡易トイレと最近できたっぽい団子屋さんがあります。「チバニアンの里」と「だんご」、(軽トラに隠れて見えませんが)「自然薯」のノボリがはためいていました。なんか、いろんな意味でスゴイ!
駐車場からは、工事現場の足場のような仮説の通路があり、さっきの田渕会館を左に行った道と合流します。一度はこの駐車場に自転車(ロードバイク)を駐めようと思ったのですが、自動車に積んですぐ持っていかれてしまうような場所に駐めるのもなんだよなと思い、
もう一度、田渕会館まで戻って、左の道を行ったのでした。
200mくらい行って、激坂になる手前のこの辺のフェンスに自転車をアースロックしようとも思いましたが、養老川はもうすぐだろうと、自転車を降りて、さらに先に進みます。
結局、自転車を転がしながら養老川まで激坂を下りて行ったのでした。
チバニアンはもめていた
養老川に降りると、チバニアンは紅葉の真っ盛り。
雨が降ったあとだと養老川の川岸は歩けない(長靴が必要)らしいのでが、幸い水量は少なめ。川岸は濡れた岩場ですが、歩いて地層の見える場所まで行けました。
「これが地磁気の逆転地層」と思って撮った写真です。
緑が現在の地磁気の地層で、赤が逆転前の地層で、黄色が地場がふらふらしていた時期の地層・・・、緑の下に赤があって、その下に黄色?・・・、なんか変。
後で調べたら、この辺の地層は地磁気逆転前の地層で、逆転前後の地層が見えるのは上の写真の少し左側にあった階段を上った先にあったらしいのです。駐車場にあった市原市教育委員会のパンフレットを家に帰ってから見たら、ちゃんと説明してありました。
偶然撮っていたのですが、この地層を見るための階段の登り口にあった看板がこれです。
でも、看板にある「古関東深海盆ジオパーク推進協議会・地主」って何?
と思って調べてら、事情がわかりました。
世の中ではとっくに過去の話題だと思いますが、個人的には「チバニアン」関連ワードが検索ランキング急上昇。
せっかく調べたので、以下[チバニアン勝手にまとめサイト]
(1)古関東深海盆ジオパーク推進協議会というのは、「チバニアン」を国際学会に申請した研究チームとは別の団体で、この地層について長年、研究活動していた。
(2)地磁気逆転が確認できる地層は斜面を登った先にあり、「チバニアン」が注目されてから見学者が殺到。足場がぬかるんで危険と市原市が2017年12月立ち入り禁止を決定。見学者は地層を間近に見ることができなくなった。
(3)古関東深海盆ジオパーク推進協議会が地主の許可を得て2018年1月中旬、斜面に階段を設置。再び、見学者は地層を間近に見ることができるようになった。
(4)市原市は、国の天然記念物に指定されてから周辺の環境整備を考えていたのにと困惑したらしいが、地磁気逆転が確認できる地層は私有地なので、この時点で市が文句を言う立場にはなかった。
(5)さらに、古関東深海盆ジオパーク推進協議会は2018年4月、「チバニアン」を審査する国際地質科学連合に見学客のために現地に設けた杭の表示に地層と異なる場所のデータが記されていると異議を申し立て、審査が中断される(この指摘自体は正しかったようだ)。
(6)「チバニアン」申請チームは反論文書を提出した、実際のデータを再提出したなど情報は錯綜しているが、ともかく7月に審査が再開される。
(7)2018年11月にチバニアンは国際地質科学連合の2次審査を通過。また、2018年10月15日に国の天然記念物に指定され、市原市も周辺の環境整備を始める意向。←今ココ
「チバニアン」の商標登録も12件
ついでに、「チバニアン」の商標登録も調べてみました。
プルダウンで「商標を探す」を選択、「チバニアン」と検索すると、審査中を含め12件も出てきます。最初の登録は2017年3月。この登録には印刷物も含まれていて、国立極地研究所の「論文や書籍に弊害がある」という申し立てで「チバニアン」の印刷物への商標登録は取り消しになったらしいのです。
紅葉真っ盛りのチバニアンは、いろんな意味で燃えていたのでした。
今回走ったルートは、こんな感じ。
何度か大多喜街道を走ったことはあるのですが、ダンプカーに次々追い越されるのが嫌で、養老川沿いの車の通らないルートをできるだけ選んで走ってます。のどかな風景で個人的には超おすすめです。
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