Appleは5月3日(現地時間5月2日)、3月30日にリリースされた「iOS 11.3」のファームウェアへの署名(SHSH)を停止しました。
「iOS 11.3」では、iOS 11の3度目のメジャーアップデートとして、ベータ版ながらバッテリーの状態を管理する機能が追加されており、iPhoneのバッテリー最大容量およびピークパフォーマンス性能の情報を表示、突然のシャットダウンを防ぐために最大パフォーマンスを動的に管理するパフォーマンス管理機能がオンであるかどうかを表示、およびそれを無効にするオプションを追加。また、新しいアニ文字や拡張現実機能(AR)ARKit 1.5を含む数々の新機能が追加されました。
今回のiOS 11.3ファームウェアの署名停止に伴い、アップグレードおよび再インストールできるiOSファームウェアは、先週4月25日にリリースされた「iOS 11.3.1」が唯一のバージョンとなります。なお、すでに4月8日に「iOS 11.2.6」の署名(SHSH)発行は停止されています。
この最新の「iOS 11.3.1」では、非純正品の画面に交換されたiPhone 8デバイスでタッチ操作に反応しなくなる問題に対応しています。また、iPhoneおよびiPadのセキュリティについての改善も含まれています。
Appleでは、定期的に古いiOSファームウェアのバージョンへの署名を停止し、特定のバージョンの署名を閉じることで、ユーザーがそのバージョンにダウングレードできなくなるようにして、ユーザーを最新バージョンへ誘導する処置を取っています。ただ、ここのところの署名停止処理を見ていると、様々なセキュリティについての問題が原因との見方ができます。
今回の署名停止に伴い、iOS 11.3.1を実行しているユーザーは、iTunes経由で11.3以下へのダウングレードができなくなりました。
脱獄しているユーザー、または脱獄希望のユーザーは、Appleが古いiOSバージョンへの署名をやめることにより、しばしば影響を受けます。ただし、iOS 11.3のコンテキストでは、そのファームウェアで公開されている脱獄がなく、iOS 11.3の脱獄を招く可能性のある既知の悪用や脆弱性は一般に公開されていません。