Appleは7月18日(現地時間7月17日)、5月30日にリリースされた「iOS 11.4」のファームウェアへの署名(SHSH)を停止しました。
「iOS 11.4」では、iOS 11の4度目のメジャーアップデートとして、複数の部屋でオーディオ再生ができるAirPlay 2、HomePodのステレオペア対応、およびiCloudにメッセージを保管する機能が導入されるなど、さまざまな機能が追加されたほか、特定の文字列が“メッセージ”をクラッシュさせる問題を含む不具合やバグの修正も行われています。
今回のiOS 11.4ファームウェアの署名停止に伴い、アップグレードおよび再インストールできるiOSファームウェアは、先週7月10日に正式リリースされた「iOS 11.4」初の修正バージョン「iOS 11.4.1」が唯一のバージョンとなります。なお、ひとつ前のバージョン「iOS 11.3.1」についても、署名(SHSH)発行はすでに6月8日に停止されています。
なお、唯一の正式バージョンとなる「iOS 11.4.1」では、iOS 11最後のメジャーアップデートとなるであろう「iOS 11.4」初の修正バージョンとして、“iPhoneを探す”でAirPodsの最後の位置情報を見ることができない問題やExchangeアカウントで、メール、連絡先、メモの同期問題などの不具合を修正するとともに、Touch IDとパスコードなどのデバイスがロック中にアクセスを許可するための新たな機能「USBアクセサリ」が追加されています。
Appleでは、定期的に古いiOSファームウェアのバージョンへの署名を停止し、特定のバージョンの署名を閉じることで、ユーザーがそのバージョンにダウングレードできなくなるようにして、ユーザーを最新バージョンへ誘導する処置を取っています。ただ、ここのところの署名停止処理を見ていると、様々なセキュリティ問題への対処も含め、最新バージョン以前のものをなるべく早く停止するという傾向が見えます。
今回の署名停止に伴い、すでにiOS 11.4.1を実行しているユーザーは、11.4を含むそれ以前のバージョンへのダウングレードができなくなりました。
脱獄しているユーザー、または脱獄希望のユーザーは、Appleが古いiOSバージョンへの署名をやめることにより、しばしば影響を受けます。ただし、iOS 11.4のコンテキストでは、そのファームウェアで公開されている脱獄がなく、iOS 11.4の脱獄を招く可能性のある既知の悪用や脆弱性は一般に公開されていません。