Mozillaは2019年8月28日(現地時間8月27日)、Windows PC、MacおよびLinux向けメールクライアントThunderbirdの最新バージョン「Thunderbird 68.0」をリリースしました。
今回のアップデートでは、以下のように新たな機能と機能変更、そして各種修正が行われています。
Thunderbird 68.0リリース ノート
新規
- 添付ファイルへのファイルリンクが、再度アップロードする代わりにリンクされるようになった
- アカウントの全フォルダーを既読にできるようになった
- フィルターを定期的に実行できるようになった。また、フィルターのログが改良された
- Yandex での OAuth2 認証のサポート
- 詳細オプションから言語パックを選択できるようになった。intl.multilingual.enabled を true にセットする必要がある (同時に extensions.langpacks.signatures.required を false にセットする必要があるかもしれない)
- Windows: 64 ビット版のインストーラーとMSI パッケージが利用可能となった。詳細は Thunderbird for Organisations ページを参照されたい
- エンタープライズ環境でのカスタマイズのためのポリシーエンジンを追加。Windows グループポリシーあるいはクロスプラットフォームの JSON ファイルが利用可能
- IMAP プロトコルでの TCP Keep-Alive をサポート
- MAPI インターフェイスにおける完全な Unicode サポート: MAPISendMailW を新規にサポート
- Thunderbird のダウングレードによってプロファイルのデータが破損することを防ぐために、Thunderibrd 68 以降で起動したプロファイルを 68 で起動すると「古いバージョンの Thunderbird を起動しました」と表示され、そのプロファイルを開かないようになる。この仕様を回避するためには –allow-downgrade オプション付きで Thunderbird を起動する必要がある。詳細は こちらのサポート記事 を参照されたい
- カレンダー: タイムゾーンのデータに過去と将来の変更が含まれるようになった。2018 年から 2022 年の間に実施されるすべての変更が含まれる
- チャット: 会話ごとに個別にスペルチェックの言語を選択できるようになった
変更
- アドオン: 作者によって Thunderbird 68 に適合させたアドオンのみが利用可能となった
- 辞書: WebExtension 辞書のみがサポートされるようになった。addons.mozilla.org および addons.thunderbird.net からWebExtension 辞書が提供される
- テーマ: WebExtension テーマのみがサポートされるようになった。addons.mozilla.org および addons.thunderbird.net からWebExtension テーマが提供される
- これまでの独立したウインドウでのオプションメニューに代わり、すべてのオプションがタブ内に表示されるようになった
- アドオンのインストール時の UI の変更変更ダークテーマでのメッセージリスト・スレッドペインを含む、多くのテーマの改良
- 「ハンバーガーメニュー」の変更変更メッセージ作成ウインドウでの宛先の入力、選択、除去の改良
- FileLink: WeTransfer が同梱される。Dropbox および Box.com は、WebExtensions FileLink API を利用したアドオンとして提供される
- メッセージ作成ウインドウでの文字色および背景色と、タグの色が 10 x 7 の HTML カラーマトリックスに限定されなくなった
- メッセージ編集時の文字色および背景色が既定では反映されなくなった。オプション > 編集 内の新しい設定を変更する必要がある
- 外部および分離された添付ファイルの UI が改良された
- 特定のフォームを含むメッセージにおけるフィッシング検出の改良
- 詐欺メッセージの警告の改良
- 自身への返信の検索において、すべての差出人情報が対象となった (mailnews.reply_to_self_check_all_ident の既定値が true に変更された)
- Maildir において、ファイル名にメッセージ ID を、拡張子に “eml” を使用するようになった
- フォルダーの最適化の閾値が 20 MB から 200 MB に変更された
- カレンダー: イベントダイアログのUI の改良
- カレンダー: Lightning のバージョン番号が Thunderbird と一致するようになった
修正
- 「メッセージの検索」ダイアログの列の選択および並び順が再起動後に記憶されない問題を修正
- 特定の環境において、グローバル検索が高い CPU 使用率を示す問題を修正
- IMAP フォルダーにセットしたタグが、ほかのユーザーから見えないことがある問題を修正
- アドオンの詳細画面の「寄付」ボタンが機能しない問題を修正
- アカウントを削除したりサーバーやユーザー名を変更しても SMTP のパスワードが削除されない問題を修正
- Windows Search によるメッセージの検索を有効にしていると、Mbox から Maildir への変換が機能しない問題を修正
- Maildir 利用時に、ごみ箱からメッセージが削除できない問題を修正。Maildir に関連したメッセージ削除の問題はまだ残っている
- セキュリティ上の理由によりメッセージの送信に失敗したときに「不明なエラー」とだけ表示される問題を修正。問題の詳細が表示されるようになった
- SMTP 5.7.1 メッセージへの対処の改良
- カレンダー: 同じ CalDAV サーバーへの異なるユーザーからの同時接続が機能しない問題を修正
- チャット: SASL 利用時の XMPP 認証に関する問題を修正
今回の「Thunderbird 68.0」では、Thunderbird.netからの直接ダウンロードとしてのみ提供され、Thunderbirdバージョン60以前からのアップグレードとしては提供されません(但し、当記事掲載時では旧バージョンである「60.8.0」がインストールされてしまうので、更新されるまでしばらく待つ必要があるかもしれません。)。なお、将来のバージョン68.1では、以前のバージョンからの更新が提供される予定です。
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