Mozillaは2019年6月14日(現地時間6月13日)、Windows PC、MacおよびLinux向けメールクライアントThunderbirdの最新バージョン「Thunderbird 60.7.1」をリリースしました。
今回のアップデートでは、S/MIME 署名を行う際のスマートカードのPIN入力のプロンプトが表示されない問題が修正されています。
なお、メジャーアップデート・バージョン「Thunderbird 60.0」では、「Firefox Quantum」で採用された“Photon”デザインが導入され、外観がFirefoxと共通となりました。また、Thunderbird 60.0はFirefox 60と同じレンダリングエンジン「Gecko 60」を搭載しており、バックエンドもFirefox 60相当となっています。
Thunderbird 60.5.1リリース ノート
修正
- S/MIME署名を行うときに、スマートカードのPIN入力のためのプロンプトが表示されない問題を修正
既知の問題点(未解決)
- Mozilla プラットフォームの変更により、Windows のネットワーク共有においてドライブレターが割り当てられていたプロファイルは、UNC で認識される
- チャット: Twitter.com での API の変更により、Twitter が機能しない
セキュリティ修正
今回のアップデートでのセキュリティ問題についての修正は合計4件で、重要度区分「高(high)」が
3件、「低(low)」が1件となっています。
- [high]CVE-2019-11703: Heap buffer overflow in icalparser.c
A flaw in Thunderbird’s implementation of iCal causes a heap buffer overflow in parser_get_next_char when processing certain email messages, resulting in a potentially exploitable crash. - [high]CVE-2019-11704: Heap buffer overflow in icalvalue.c
A flaw in Thunderbird’s implementation of iCal causes a heap buffer overflow in icalmemory_strdup_and_dequote when processing certain email messages, resulting in a potentially exploitable crash. - [high]CVE-2019-11705: Stack buffer overflow in icalrecur.c
A flaw in Thunderbird’s implementation of iCal causes a stack buffer overflow in icalrecur_add_bydayrules when processing certain email messages, resulting in a potentially exploitable crash. - [low]CVE-2019-11706: Type confusion in icalproperty.c
A flaw in Thunderbird’s implementation of iCal causes a type confusion in icaltimezone_get_vtimezone_properties when processing certain email messages, resulting in a crash.
ThunderbirdのカレンダーアドオンであるLightningをインストールしている場合には、Windows、Mac、Linux向けメールクライアント「Thunderbird」の新しいバージョンに合わせて自動的に更新されます。
ただ、既存のThunderbird 5以降からの自動アップデートは停止されているので、以下のようにメニュー「Mozilla Thunderbirdについて」から新規ダウンロードを行う必要があります。
システム要件
- Windows:Windows 7、Windows Server 2008 R2以降
- Mac:Mac OS X 10.9以降
- Linux:GTK + 3.4以上。
また、新規にダウンロードする場合などでは、MozillaのThunderbirdダウンロードサイトからダウンロードすることができます。