今年の夏にビンディングシューズにしてから3カ月くらい膝痛で悩みました。最近は100km、獲得標高1000m以上走っても膝が痛くならなくなりましたが、あれこれ試行錯誤して辿り着いた解決策が、なんと100円均。
ダイソーの「O脚用ジェルパッド かかと用」です。これをシューズのかかとに入れただけで、左膝外側の痛みが、それまでの苦労はなんだったんだというくらいあっけなくなくなりました。
理由は、(たぶん)O脚用ジェルパッドによってペダルの踏み込みがまっすぐになったから。それまでは、がに股気味のペダリングだったんですね。
早く気付けよおバカさんですが、「ロードバイク 膝痛 外側」と検索して、サドルを上げたり下げたり、後ろにしたり前にしたり、ビンディングシューズ(SPD)のクリートをハの字にしてみたり、5000円のインソールは土踏まずがつぶれないようにサポートしてくれるらしいという言葉に「高いけど試しに買ってみるか」と迷ったり(結局買わなかったけど)、すっかり迷路に迷い込んでしまっていたのでした。
理由は、なぜサドルを上げるのか、下げるのか、土踏まずがつぶれないとどういう効果があるのか、自転車と膝痛の基本的な関係が全体としてわかっていなかったから。
あくまで個人的体験で、誰にでも当てはまるとは限りませんが、今の段階で自分なりに納得した「ロードバイクの膝痛は多分こうなんじゃないか」を書いてみたいと思います。
膝が痛くなる場所
言葉だけで説明するのは難しいので、膝のどのあたりが痛くなるか無理やり図にしました。
大事なのは、筋肉は末端が腱になって関節をまたいで骨に付着していることです。だから、関節を曲げたり伸ばしたりできるわけです(炎症を起こすのもこの腱の部分が多い)。特に、大腿四頭筋の腱はお皿(膝蓋骨)に付き、さらに伸びて脛骨につながっていますが、この腱には「膝蓋腱」という特別な名前が付いています。つまり、図で言うと①と②は本当はつながっています。そのくらい適当な図だと思ってみてください。
私の場合、最終的に痛くなったのは⑥腸脛靭帯付着部でした(図は右膝ですが、痛かったのは左膝)。でも、腸脛靭帯で痛くなることが多いのは③で、膝の曲げ伸ばしで骨に擦れて痛くなるらしいのです。不思議なことに、ここは一度も痛くなったことがありません。
それから、膝の裏は⑤あたりが痛くなります。ハムストリングスは骨盤・大腿骨と下腿(脛骨と腓骨)をつなぐ筋肉で、膝の裏のふくらはぎの上あたりとつながってるからです。でも、そうすると痛くなるのは脛骨と腓骨の付着部分になりそうですが、私が鈍感なのか、そこまでピンポイントではわかりませんでした。
膝が痛くなる要因
で、何が原因で、こうした場所が痛くなるかというと、細かいところでは錯綜しています。例えば、さっきの⓷腸脛靭帯炎は、がに股やO脚で膝が外側に広がってペダリングしている場合に起こることが多いのですが、サドルが高過ぎても起こることがあります。サドルが高過ぎると、足が伸び切ってしまって、その度に腸脛靭帯が骨に擦られ炎症するらしいのです。
そういう細かいことは一旦脇に置いて、大きく分けると、膝痛の対策は「膝の前が痛い・裏が痛い」「膝の内側が痛い・外側が痛い」の2つに分けるとわかりやすいと思います。「膝の前が痛い・裏が痛い」場合はサドル位置で調整、「膝の内側が痛い・外側が痛い」場合はインソールで調整というのが近道のような気がします。
もう少し説明すると、
(1)膝の前・裏が痛い
①、②、⑤、つまり膝の中心線に沿った痛みは「サドルの位置が合っていない」ときに主に出ます。サドルの位置は、サドルの高さ、サドルの前後の2つがあります(ロードバイクはサドルの高さだけでなく、サドルを前後に動かすことができます)。
(1)-1 膝の前が痛い
サドルが低過ぎ、サドルが前過ぎ
(1)-2 膝の後ろが痛い
サドルが高過ぎ、サドルが後ろ過ぎ
ちなみに、「サドルを高くする」のと「サドルの位置を後ろに下げる」のは同じ意味(効果?)になります。
(2)膝の内・外が痛い
④、③、⑥が痛いときは「足をまっすぐ踏み下ろしていない」ことが多いはずです。これも、膝が内側を向いている場合と外を向いている場合に分かれます。
(2)-1 膝の内側が痛い
内股、X脚の人は膝の内側④が痛くなりがちです。ペダリングの上肢点で膝の頭が内側を向いています。足の重心を外側に向かせればいいわけで、インソールの内側を高くすれば補正されるはずです。
写真はちゃんと撮れていませんが、ダイソーにも「土踏まず用ジェルパッド」を売っています。
実際買って試してみましたが、私はがに股な気味なので当然効果はありませんでした(実を言うと、土踏まずだけでなく、拇指球の下を少し高くしたりといろいろ試しました)。
(2)-2 膝の外側が痛い
がに股、 O客の人は膝の外側③、⑥あたりが痛くなる人が多いはずです。ペダリングの上肢点で膝の頭が外側を向いています。動画を見つけました(左がその例。右はインソールで補正したペダリング)。
この場合は、足の重心を内側に向かせればいいわけで、それで「O脚用ジェルパッド かかと用」が役立ったわけです。
膝痛の確認は1日掛かり
膝の痛みを解決するのに時間がかかるのは、膝が痛くなる要因と対処法が錯綜しているだけでなく、30km走って大丈夫でも、50km、70km過ぎたあたりから痛くなることもよくあるからです。一度に2カ所以上セッティングを変えては何が原因かわからなくなりますから、一つ一つ試していくしかありません。
セッティングを変えて、丸1日走って、痛い膝で自転車を漕ぎながら家に帰るときのやるせなさといったらない!
(同じようなところで悩んでいるロードバイクを始めたばかりの人も多いんだろうなというのが、専門知識もないのに、ロードバイクの膝の痛みという無謀なことを書こうと思った理由です)
それにしても気になるのは、値段の高いインソール。5000円のインソールがあると言いましたが、スペシャライズドのカスタムフットベッドという、それぞれの人の足型に合わせてインソールを作ってくれるサービスもあります。値段は1万円以上。
膝の前や裏が痛くなるのは、多くの場合、サドルの位置や踏みすぎの問題。これは割と簡単に対処できます。なかなか解決できないのは「まっすぐに足を踏み降ろす」ほうで、それをサポートしてくれるのが、こうしたお高いインソールなのだろうと思います。
でも、100kmちょっと気持ち良くポタリングができればいい身としては、100均で十分かなと思うのでした。
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